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2006年1月19日 (木)

File.4 飲食業で成り立つ映画館

映画を上映するから映画館と言います。商品である映画を上映しなければ映画館とは言えません。私たちは文字通り映画を観るために映画館に足を運ぶわけですが、実は映画館というのは映画の上映だけでは経営が苦しい台所事情というジレンマを抱えています。

それを打開するために、たいていの映画館には売店が併設されています。映画関連グッズを扱っていたり、映画鑑賞のお供の定番であるポップコーンを販売しているのが通常です。最近ではカフェのスタイルを持つ売店も出現してきました。この売店が映画館にとっては貴重な収入源であることはよく知られていますし、市価よりもベラボーに高い売価が設定されていることでも有名ですね。

これらの売店は基本的に映画館の運営会社が営んでいるもので、その収益はそのまま映画館に計上されます。映画館の収入はこの売店収益と興行収入の2つが柱になりますが、このうち興行収入は決して儲け率の高いものではありません。映画作品や配給会社にもよりますが、収益のうち約40%~70%もの比率で配給会社に吸い取られていきます。こうなると経営が苦しくなるのは当然のことで、苦肉の策として売店収入で収益アップを実現させているのです。

映画館の売店商品は、運営会社にもよりますがだいたい利益率50~75%という非常に利幅の大きな価格設定をしています。そして、ほとんどの場合ソフトドリンクやポップコーンであれば食材よりも容器やカップのほうがコストが高かったりするほどです。ポップコーン自体は油、塩(場合により調味料)、コーンがあれば製造できてしまいますのでその原価の安さは想像がつくかと思います。

そのうえ、映画館では他店商品持ち込み禁止の場合がほとんどのため、多くのお客様はこの殿様商法に対して少なからずの不満をお持ちかと思います。しかし、映画館にとっては売店売り上げは経営の生命線であり、無くてはならないものなのです。ちなみに他店商品禁止の理由についてですが、興行会社側の本音としては

  1. 食べる際に大きな音がする包装を避けたい
  2. 食品衛生面の保持
  3. 劇場という建築特性からくる安全管理の面
  4. 映画館自身が飲食店を経営しているという体面

というものが主な理由のようです。少なくとも、「4」の理由はあまりにそのままで可笑しいですね。他にもテナントとして外部業者を導入している映画館が数は多くありませんが存在しています。

映画鑑賞に欠かせないポップコーン。その塩味には劇場側の必死な売り上げアップ努力と、観客側の我慢の涙が秘められているようです。

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著者:山本 マーク 豪
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