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2006年2月 5日 (日)

File.21 テスト試写

映画の話題になると度々登場する言葉に「試写」があります。先日は0号試写と初号試写の概要(参照 File.18 試写用プリント"0号")に関してご紹介しました。

試写にはいくつかのタイプがあり、それぞれに目的や内容が異なってきます。0号・初号試写は映画会社が行う非公開の業務用試写です。他に話題作をいち早く見られる一般試写会、マスコミやライターなどプレス関係者に対して行われる社内宣伝業務試写などが挙げられます。
映画館では作品の公開日以前に、必ず業務試写を行うことになっていて、これを「テストラン」「プリントテスト」
などといいます。

劇場に配給会社から上映プリントフィルムが届けられるのはだいたい公開日の2週間前~数日前くらいの間で、到着しだい映写担当スタッフが予告編や広告プリントの取り付け等の作業を行います。こうして編集作業を終えてはじめて映写できる状態になります。
テストランは、
上映プリントの品質状態や上記の編集にミスがないかをチェックするために行われるもので、映写スタッフの大切な仕事のひとつとなっています。

テストランはほんの若干ですが公開日よりも早く新作映画が見られるということもあって、福利厚生面の一環として勤務スタッフに鑑賞をさせている劇場も数多くあります。劇場営業終了後の深夜・早朝に行うので参加者は徹夜になってしまいますが、話題作の場合は多数のスタッフが集まることもあり、話題性を示すバロメーターにもなります。また、劇場を貸しきり状態にできることも人気の一つでしょうか…。

テストランでは主にプリントの状態が第一にチェックされます。ゴミや汚れがないか、音響面にトラブルはないかといった品質チェックですね。同時に映写機器のコンディションチェックも兼ねています。担当スタッフはストップウォッチや時計で作品のランニングタイムを計りながら問題のある部分をリストアップして、上映に支障のあるような異常が確認される場合は、配給会社に連絡して代替プリントの手配を要請します。

品質チェックを行うには相応の経験を要します。プリントの良し悪しの判断は慣れていないとチェック基準も分かりませんし、どういった原因の瑕疵なのか判断ができないからです。映像や写真に興味のある人のほうがこの点は慣れるのが早いように感じます。
状態の良いプリントと悪いプリントといっても、一般のお客様でその違いを判断できる方はあまりいらっしゃらないのですが、映写品質にこだわる厳しい目を持つ方もいらっしゃるので、
担当スタッフもスキルアップしていくことが求められます。

問題なく映写が終われば、公開日まで映写室のプリント置き場で出番待ちです。そして担当映写スタッフは眠い目をこすりながら帰宅していきます。オールナイト上映の無い映画館でも、このように深夜勤務が必要になるので映画館で働く際にはなるべく近所に居住するほうが都合が良いかもしれません。


サウンドハウス

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