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2006年2月 9日 (木)

File.24 アードマン、ジブリを制す

みなさんは「ウォレスとグルミット」(以下「W&G」)というクレイアニメーション(粘土アニメ)をご存知でしょうか。天才発明家のウォレスと愛犬のグルミットが主人公の人気アニメーションで、グリコ「プッチンプリン」のTVCMに登場していたといえば、お分かりになる方も多いかもしれませんね。

2月4日発表のアニー賞で、彼らの新作『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』が全10部門完全制覇の偉業を成し遂げました。これは昨年度の『Mr.インクレディブル』に続く快挙となります。
アニー賞は国際アニメーション協会(ASIFA)が主催するアニメーション作品のためのアワードで、テレビ部門と映画部門の2つに分かれて決定されます。現在ではアニメ界のアカデミー賞とも言われ、アニメーターにとっては最高権威の賞として認知されています。

「W&G」の始まりは1989年に遡り、英国の国立映画テレビ学校生だったニック・パーク氏が卒業制作として作った「チーズ・ホリデー」がその第一作。卒業制作としては異例の6年間にわたる制作期間を要したこの作品は、翌年のアカデミー賞にノミネートされニック・パーク監督の名が世界に知られるきっかけとなりました。
第二作目の「ペンギンに気をつけろ!」(1993年)でオスカーを受賞、続く「危機一髪!」(1995年)とで連続受賞を成し遂げます。

映画の製作にあたったのは英国のアードマン・アニメーションズ。1972年に設立され、数多くのクレイアニメーションを制作してきたことで知られており、その代表作とも言えるのが「W&G」シリーズです。

Wg_1
(C)2006 Aardman Animations Ltd.

今回のアニー賞で「W&G」と同時にノミネートされていたのが、スタジオジブリ・宮崎駿監督作品『ハウルの動く城』です。世界の名アニメーター対決ということで海外でも話題になっていましたが、結果は「W&G」の完勝となりました。過去3作品すべてがアカデミー賞ノミネートまたは受賞という実績を持つ相手だったとはいえ、寂しい感じもしますね。
ただ、日本のプレスは「W&G」の受賞ではなく、『ハウル~』の落選をメインに報じていたのが印象的でした。

過去の三作品は短編だった「W&G」ですが、「野菜畑で大ピンチ!」は初の長編作品となり、この点も注目されています。総製作費は30億円を越すもので“超大作”といっても過言ではないでしょう。
来月のアカデミー賞では再び『ハウル~』とあいまみえることになります。そしてティム・バートン監督作品『コープス・ブライド』もノミネートされており、
実写アニメーションとジブリアニメの三つ巴争いでおもしろくなりそうです。
日本公開日は3月18日(予定)、「アカデミー賞 受賞!」のコピーが躍ることになるか!?

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コメント

10部門制覇!
まさに偉業ですね。知らんかった。

投稿: TORI | 2006年2月10日 (金) 11時36分

TBありがとうございました。
「W&G」これまでの3作とも大好きです。
特にグルミットのスマートな魅力がたまらないのですが、撮影技術的にもとても素晴らしいといつも感心してしまいます。
撮影の労力から考えて長編は難しいかと思っていたので今回の「野菜畑・・・」は嬉しい誤算。とても楽しみにしています。

投稿: haru | 2006年2月10日 (金) 17時38分

些細な事ですが、『コープス・ブライド』はクレイアニメでなく人形アニメです。
最近は。立体物を使ったアニメーションをクレイ・アニメーションと表記する方が多く困ってしまう…

それはさておき、『W&G』の最新作は楽しみです。

投稿: 通りすがりのオジサン | 2006年2月11日 (土) 07時44分

TORIさん、ご来訪ありがとうございます。
そうなんです、全部門制覇ですよ♪
史上二つ目の快挙です。
アカデミー賞争いも楽しみになりますね。
「ハウル~」にとっては相手が悪いですけど…。

haruさん、ご来訪ありがとうございます。
グルミットはしゃべらないけど、目で訴えてくる力があってインパクトがありますね。
二作目で家出をする場面はとくにグッときました。
初の長編、あの盛り上がりを映画館で楽しめるのはいまからドキドキします。

通りすがりのオジサンさま、ご来訪ありがとうございます。
ご指摘ありがとうございます。そうですね、パペットと一緒くたはいけませんね^^;
「W&G」は日本での知名度は高くないと思っていましたが、楽しみにされている方も多いようで嬉しいです。

投稿: 管理人:月夜野 | 2006年2月11日 (土) 23時12分

「ハウル」が面白くない訳じゃないんだけどね。やはり、アカデミー賞とかじゃない感じ・・・
「W&G」は前3作を偶然TVで見てファンになりました。あのクレイの質感が暖かみがあるし、台詞のないグルミットの表情、特に眼だけの演技が可愛いんだ〜♪
「コープス・ブライド」見てませんが、予告ではちょっとキモいキャラばっか。アメリカ人はああいうのが好みなのかな? 一方でハウルのようなタイプの男はアメリカではウケないとか・・・ 何にしろ、ハウルは苦戦すると思います。

投稿: Pika | 2006年2月12日 (日) 19時42分

Pikaさん、ご来訪ありがとうございます。
「W&G」は目の演技が凄いですね。あと登場する小物の創りが精巧で、作り手のこだわりがひしひしと伝わってくるようです。
「ハウル~」はどうなるか分かりませんが、日本代表として頑張って欲しいですね!
「コープス・ブライド」は監督の人気が色濃く出たようにも思えます。

投稿: 管理人:月夜野 | 2006年2月14日 (火) 03時17分

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