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2006年6月10日 (土)

File.57 新宿松竹会館メモリアル 7

2006年5月14日に閉館した新宿松竹会館(新宿ピカデリー)を偲び、その姿を写真で振り返る連載の第七回目です。
今回は新宿松竹会館のメイン館である新宿ピカデリー1を偲びたいと思います。前回ご紹介したピカデリー4とのギャップが凄いです。



新宿松竹会館メモリアル Vol.7
~巨艦・新宿ピカデリー1の雄姿~




新宿ピカデリー1のロビー
ここは普通の建物で言えば2階に相当する位置で、メインエントランスから階段を上ったところにあります。建物の南側は北側よりも土地の高度が高いのでそちらからは階段がありません。柱が立っていてちょっと邪魔に感じるものの、広いロビーです。数年前にリニューアルされたときに突如としてのカーペットに様変わりしました。歌舞伎町の映画館よりも女性客の取り込みを意識した変更だったのでしょうが、強烈なインパクトです。
天井が傾斜しているのはこの上側が客席になっているからで、右奥に客席への階段が見えます。




券売機
正面入口にチケット売場、南側には松竹プレイガイドがあるのに、さらにロビーに券売機が設置されているという三段構え。チケット購入方法のバリエーションが実に豊富です。券売機は通常料金の他に各種割引料金にも対応しています。




もぎりにガメラが!
劇場入口のもぎり台ではガメラが留守番をしていました。自分の作品が最終上映作品になったにも関わらず気丈でいる姿が泣けます。1枚目の写真のように階段はワイドですが、入場はこのもぎり台のある隅っこの階段からしかできません。広いスペースがちょっともったいないです…。




新宿ピカデリー1場内の全景
写真でこのスケールがお伝えできるかどうか…。
広い空間と大きなスクリーン、高い天井。華美な部分は全くありませんが、この
巨大な空間で映画を観られるのが新宿ピカデリー1の贅沢でした。
以前は1,154席あったのですがリニューアル時に820席へと変更されました。それでもこの圧倒的な広さは大迫力、前のほうにいる人が豆粒みたいに見えるほどです。この上部にはさらに三階席があります。




二階席からの眺め
場内は三階席まであり、ここは劇場中央部から少し後ろの指定席ゾーンです。少し画面からは遠いものの、一番見やすいとされているポジションになります。
場内の構造やスクリーン前の舞台などがよく見渡せますね。シートはドリンクホルダーが装備されて座り心地も良好。近隣の大劇場、新宿ミラノ座や新宿プラザ劇場にも見習ってほしいと思います。




二階席中央部からの視界
このような大劇場になると座席によってはスクリーンが見にくかったりするものですが、ピカデリー1は傾斜や段差を有効に活用して広い範囲で良好な視界を確保しています。この位置はスクリーンが正面位置になります。座席の段差が工夫してあるので前の人の頭で映像が大きく隠されてしまうことはありません。
天井がとても高く開放感のある劇場です。スクリーンの縦幅が約7mなので、高さはその倍はあったはずです。壁は定在波対策なのか、やや斜めになっています。
最後の記念に、写真撮影している姿が多く見られました。




迫力の大画面。これぞ大劇場の醍醐味
この大スクリーンに幾多の映画が上映されてきました。スクリーンサイズはビスタ時7.1m×12.6m、シネスコ時に 7.1m×15.35m、シネコンのメイン館相当の大きさですね。スクリーンの前には広い舞台が設けられていて舞台挨拶やイベントもここで行われてきました。
ひとつ前の写真を見ていただくと分かりやすいと思いますが、ピカデリー1は天井高のある映画館でありながら、スクリーン位置は低めに設定されています。このおかげで最前列でも驚くほど見やすい視界を確保しています。後方からだと軽く見下ろす視野角になり、これも見やすいものでした。
ステージのおかげでスクリーンから座席までのスペースに余裕があり、スクリーンの横幅に合わせて無理のない座席配置にするなどサイトラインの優れた劇場設計であったように思います。スタジアム形式でスクリーン位置の高い最近の映画館では最前列でこのような視界は得られません。




スクリーン前に設置されているスピーカー
このことからしてエレクトロボイス製のスピーカーが使用されているようです。新宿でエレクトロボイスと言えばESS(エレクトロボイス・シアター・サウンドシステム)の新宿プラザ劇場が知られていますが、こちらも負けじとエレボイで勝負です。新宿ピカデリーと同じ松竹系のMOVIXでもエレクトロボイスを使っている劇場がありますね。




サラウンドスピーカー
二階席後方に設置されているサラウンドスピーカーはエレクトロボイスのTS8-2。古い劇場ながら音響機材はなかなか頑張ってますね(笑)。TS8-2はエレクトロボイスのシネマ用2Wayスピーカーで、THX認定も受けたモデルです。後継機種の登場により3年ほど前に廃番となったので、新しい映画館ではもう使われることはありません。ピカ4のサラウンドスピーカーとは大きな差です(笑)。
なおピカデリー1のリアサラウンドスピーカーはSRD-EXには対応しておらずSRDのみです。




スクリーン前からの光景
最前列付近から見渡してみましょう。三階席にまで分かれているのが見て取れます。また前方部はスロープ、二階席からは段差があって座席配置に工夫が見られます。
映写窓を見てみると中央部から幕間のスライド映像が映写されていて、その両脇にある映写機で二台映写をしていることが分かります。
うーん、やっぱりデカいです。このスケールが好きで通っていたファンも多くいました。




GAMERAさん、ありがとう。
もぎり台でお仕事中のガメラです。「なんだよ?」という面持ちをされています(笑)。




ロビーにて…
帰り際には閉館を惜しんで多くのお客様が「さよなら、新宿ピカデリー」の展示に見入っていました。本当に無くなってしまうんだと、感じずにはいられませんでした。
場内やロビーを感慨深そうに見回った後、一人またひとりと新宿ピカデリーを後にしていきました。



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コメント

月夜野さん

私は新宿ではシネマスクエア東急しか行ったことなかったと思います。
そこでしかやっていないもの以外は自分の慣れたエリアでみますよね。
前回のピカデリー4とのギャップが大きくて面白かったです。
スクリーンの位置は大事ですよね。
一列目だとたいていは首が痛くなってしまいますから。
それにしてもヌイグルミのガメラ君、どうなってしまったのかな?
ちょっと心配になりました。
哀愁をおびた健気な姿に胸を打たれます。
それにしてもほんとに月夜野さんの写真からは映画館への暖かな愛情が伝わってきますね。
このシリーズは素敵な記録ですね。

投稿: Angelita | 2006年6月12日 (月) 21時58分

Angelitaさんこんにちは。

たしかに映画は自分の慣れた土地で見る人が多いですよね。Angelitaさんは日比谷・有楽町界隈なのでしょうか。けれどもお気に入りの映画館があって、そこまで遠征する熱心な方もいらっしゃいます。AngelitaさんがIMAXまで見に行くような感じでしょうか!?

日本トップクラスの大きさと小ささの映画館が同居していたのです。このギャップが好きでした。
ピカ1は大画面でも見やすい映画館だったですね。むしろ最前列なら古い映画館のほうがシネコンよりも見やすいのかもしれませんね。

ガメラは…どうなるんでしょう?消息まではさすがに訊けませんでした^^;

投稿: 管理人:月夜野 | 2006年6月13日 (火) 18時05分

月夜野さん
そうですね。確かに好きな映画館に遠征することもありますよね。
オペラ座の怪人の時、とても音響が良いというのをきいて、さいたま新都心まで(しかもレイトショーでしたっけ)みにいきました。

ピカデリー1は日劇1より大きかったのですね。3階席まであるというのはすごいです。
ガメラはどなたかにもらわれていたらいいですけど。
(妙なところが気になってすみません・・。(^^;)

投稿: Angelita | 2006年6月15日 (木) 13時36分

Angelitaさんこんにちは。
私もさいたま新都心へは『エピソード3』を観に遠征しました。パイオニア製のスピーカーの音が聴きたくて出かけてしまいました。
「これぞ」という作品は劇場もしっかり選びたくなりますね。単館公開作品はそうはいかないですが。

ピカデリー1は大きかったです。
大きさで言うなら新宿ミラノ座のほうがさらに巨大ですけど、3階席まである迫力はなかなかのものでした。こんな巨艦はもう造られないと思います。新しい松竹会館も最大劇場で600人台ですし。

ガメラは…よほどお気にされているようですね…。

投稿: 管理人:月夜野 | 2006年6月15日 (木) 23時50分

「迫力の大画面。これぞ大劇場の醍醐味」の写真の右下端に透き通った男の子が…!キャ~!おそらく、この劇場を愛してやまない人々の想念が集まり、ひとりの男児の姿を借りてこの世に現れた一瞬だと思います。

豹柄…。イイ。

今は無い、地元の劇場は、子どもの頃から、友人や家族と行った想い出があります。「さよなら…」の展示を見入る方も、同じ想いかな。世の中は常に変化しているのですね。

投稿: 足柄 | 2006年6月18日 (日) 03時10分

足柄さんこんにちは。

心霊写真なのでしょうか…。
そういえば『ナイロビの蜂』の宣伝キャラクターに江原啓之氏が和服姿で登場していたのは違和感がありました…。

世の中は変化していますね。止めることはできないのでしょう。時代の流れと共にこの映画館も使命を終えたということでしょうか。

投稿: 管理人:月夜野 | 2006年6月19日 (月) 01時41分

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受信: 2006年6月20日 (火) 17時28分

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