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2006年9月29日 (金)

File.69 プログラム販売

映画館で販売される主力商品にプログラムがあります。別名をパンフレットとも言う、作品の紹介・資料集的な役割を持つ商品としておなじみですね。映画館で映画を鑑賞される方にはこういったアイテムを収集されている方も多く、映画館売店にとっても大切な商品です。他に収集目的で人気があるのにポスター、チケット半券、チラシ、前売券などがあります。

本日はこのプログラムにまつわるお話をしたいと思います。

プログラムは主に担当配給会社が企画・制作を行っており(外注制作もあります)、公開規模に応じて制作数が決められます。書店で販売するわけではなく在庫を抱えてしまうと不良債権化してしまうので、むやみに大量印刷するわけにもいきません。逆に在庫不足になりそうな場合は増刷することで対応できますからね。

劇場は配給会社の担当部署に必要部数を発注し、公開初日から販売を行うことが一般的です。予想外のヒットなどによって公開途中にも関わらず在庫数が少なくなってしまった場合は再発注をかけますが、制作元の在庫が切れてしまっている場合などは系列館から間に合わせで在庫を分けてもらうなどして、かき集めて対応します。公開終了日が近い場合は再発注しないで売り切れ扱いが通例です。

単にプログラムといってもいろいろありまして、同じ作品なのに少々特殊なものや違いを持たせて、希少性を高めることがあります。具体例は増刷の際に仕様に差異をつける、コレクターに人気の館名入りなどでしょうか。
まず仕様の差異ですが在庫数の減少などで増刷されたり、または最初から大量の売れ行きが予想できる作品は
初版と増刷版とで表紙のデザイン等が微妙に異なるものを制作してプログラム自体に希少性を持たせることが出来るのです。館名入りも同様で表紙に固有の劇場名を印刷することでプレミアムを持たせることが可能です。館名入りは日本劇場(現日劇PLEX)が有名で、当該劇場でしか入手できないうえに制作数も限られているため熱心に収集されているファンが多いですね。

プログラムの売れ行きが好調と聞くと「ヒットしている」と感じられるかもしれません。しかしここには不思議な落とし穴があって、売れ行き好調=ヒットとは限りません。たしかに話題作であるほど販売部数は伸びるのですが、重要なのは部数よりも一人でも多くの方にご購入いただくことです。

たとえば動員数300人の上映回で30冊売れたのと、動員数100人で20冊売れたのを比較してみましょう。販売・動員成績としては前者のほうが勝っていますが、購入された確率は後者のほうが倍の数値です。
このことは多くの場合、
作品の客層に販売成績が大きく影響されることを意味し、コアなファンがいる作品ほど後者のように購入確率が上昇します。とくに有名原作の映画化、アニメ映画、音楽映画などで顕著に見られます。コレクターが多いジャンルでも同様で、お客様一人当たりの売上げが伸びるのはメジャーな大作映画よりも熱心なファンのいる作品なのです。ミニシアターで作品関連グッズが充実しているのもこういった理由があります。動員規模が小さくても物販成績が非常に高い映画も多くあるので、プログラムの販売数はヒットの大小とはあまり比例しません。

海外旅行好きな方には有名ですが、意外なことにプログラムはほぼ日本独自の商品で海外ではあまりお目にかかれません。外国人旅行客には日本の映画プログラムが密かな人気お土産になっていることなど、文化の違いを感じさせます。プログラム制作には作品中のスチール写真やコメント、プロダクションノートをふんだんに使用するため、洋画ではごく稀に本国の製作会社から制作許可が下りないこともあります。また極端に公開規模が小さな作品はコストと売上げが釣り合わないため制作されないこともあります。

プログラムの楽しみ方にも触れてみましょう。パラパラめくるだけでも映画の記憶が呼び覚まされて楽しめますし、お気に入りの俳優の写真や映画評論家のコメントなど細部まで読むことで作品をじっくりと堪能できます。
あとプログラムで要注目なのは
エンドクレジットがそのまま収録されているもの。邦画ならともかく洋画だと外国語の羅列なので全く興味がない方もいらっしゃると思いますが、フルサイズのエンドクレジットは公開後に何年も経ってから見るとおもしろい発見があったりします。有名俳優がまだ無名時代に出演していたことに気づいたり、特別協力の欄に有名俳優の名やすでに消滅した会社の名があったり…。その他大勢のスタッフのなかに、もしかしたら未来の大物が隠れているかもしれませんよ。また使われた撮影フィルム、キャメラのメーカーや音響方式、ロケーション地名など多くの情報が詰まっています。

プログラムは劇場物販コーナーやグッズ売店で販売されている他に、映画館によってはポップコーンやドリンクと一緒に販売されていることもあります。劇場側としては販売効率の向上化に重点を置いているのでしょうが、ここで気になるのは汚れ。特に黒い表紙だと飲食売店スタッフ手洗いをせずに扱ったときに指紋や汚れが思いのほか目立ってしまうことがあります。コレクターアイテムとして、鑑賞記念として大切にしたいと考えているお客様も多いので手袋をしたり、最初から袋に包装しておくなどの配慮をしたほうが良いですね。
お気に入りの作品があったらぜひ鑑賞記念にプログラムをどうぞ。一緒に作品のチラシと半券を挟んでおけば立派な資料にもなりますよ。

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コメント

月夜野さん おひさしぶりです。
映画のプログラム(とチラシ)集めましたね~。
昔は観る映画のは全部買ってました。今はさすがに気に入ったものだけにしていますが。
テアトル東京や有楽座の名前入りのSWのプログラムなどは宝物ですね。
オペラ座の怪人は日劇の名前入りと六本木で買った名前なしのと二つ持ってます♪
結構マニアックですね(笑)

我が家のどこかには両親が若き日に見た映画のプログラムがあります。
ペラペラの紙の薄いプログラム。
「天然色」「テクニカラー」なんていう文字も入っていたり、広告の古さなどにも年代を感じるアンティークな貴重品ですね。

投稿: Angelita | 2006年10月 1日 (日) 00時45分

Angelitaさんこんにちは。

プログラムも歳月が経ってから見返すと懐かしさがこみ上げてきますね。かつてはペラペラのものや、モノクロ印刷のものが多かったですけど今では立派な商品が普通になりました。

テアトル東京や有楽座の館名入り「SW」プログラム!それはお宝ですね。「SW」なら全作品を集めてみても良いかなって思います!以前は鑑賞記念にプログラムも揃えていたのですが、最近では買わなくなりました。値上がりしてますし(~_~;)

投稿: 管理人:月夜野 | 2006年10月 2日 (月) 18時57分

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