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2006年11月 9日 (木)

File.73 セクション選び

前記事File.72 セクション配置の続きです。前回は映画館における勤務部署=セクションについてご紹介いたしました。今回は少し補足紹介をしたいと思います。「映画館で勤務してみたい」、「映画館の仕事はどんなことをするの?」と思っている方のお役に立てれば幸いです。セクション概要など割愛した部分もありますので前記事も合わせてお読みください。

前回は映画館のセクションを大きく7つに分けてご紹介しました。おさらいするとフロア、ボックス、コンセ、ストア、インフォ、映写、オフィスとなるわけですが、シネコンで勤務する際はこれらどれかを選ぶことになります。
基本としては本人の希望が考慮されますが、人員状況や適性などが勘案されるので必ず希望通りのセクションに配属されるとは限りません。非シネコン館や単館であれば全セクションを兼任することも多くありますね。

また勤続中に他セクションに異動することも日常的にあり、セクションごとで持ち回りのように人員異動が行われたりします。一例としてはフロアからコンセに移ったり、ボックスからフロアに移ったりと様々です。こうすることでセクションの過不足人員をカバーしたり、能力の高いスタッフを育成していくわけですね。

アルバイトだとこのように同じサイト内のセクション異動で済みますが、契約社員や社員となれば他サイトや新規オープンサイトへの転勤があったりと引越しを伴う大移動になることも珍しくありません。大手シネコンで社員を希望するなら引越しが増える覚悟が必要です。

さて、それでは映画館でアルバイトをしてみたいと考えている方のためにセクションごとの特徴と適性をご案内いたしましょう。あくまで管理人の私見ですので参考程度にお読みいただければ幸いです。

フロア
フロアでは第一にコミュニケーション能力が求められます。お客様とのやりとりが最も多いセクションであることに加え、トラブル時などイレギュラーに対応するだけの臨機応変な行動が行えることが理想的。シネコンだと時間差で多数の作品が上映開始/上映終了→清掃→入替というパターンを繰り返しているので、
先を読んで行動できると効率よく仕事ができますね。

笑顔でハキハキ、好感のもてる接客ができればフロアがおすすめです。人と接することが好きな方やお話し好きな方も向いているでしょう。フロアは映画館運営におけるカナメのセクションであり、フロアスタッフの印象は映画館の印象そのものです。フロアがテキパキ動いて素敵な接客をしていればお客様からも自然と評価していただけます。

実際にフロアスタッフには全般的な傾向として快活で人懐っこい方が多く、フロアの仕事内容を垣間見ることができます。混雑時の対応や時にクレームの矢面に立つなどプレッシャーもありますが、やりがいのある仕事です。

ボックス
テケツなどと言われたのも今は昔…、現在ではセクションのなかでとくに人気のあるのがこのボックス、
映画館に訪れたお客様が最初にやってくる場所で映画館の顔ともいうべきセクションです。
カウンターに立ってお客様にチケットを販売する、仕事としては単調ですが大きな金額をやりとりするので、金銭授受のスキルがあったほうが良いでしょう。つり銭はもちろんのことチケット券面の日時・作品名、前売券の種類など多くの確認作業があるのでしっかりと確認をすることも大事です。

近頃はインターネット予約・券売機発券のシステムを運用している映画館が増えているものの利用者はそれほど多くありません。よって来場者のほとんどがボックスにやってくるわけで、混雑時は行列ができるなど激務となります。そのようなときに慌てず落ち着いて対処する冷静さを持てる方にボックスはおすすめです。

映画館によっては女性をメインに据えているところもあるようです。これは男性のボックス希望者が比較的少ないことも一因でしょう。もちろん男性でも勤務できるので、奮って希望していただきたいものです。男手は重宝されますよ。

コンセ
マクドナルドやモスバーガーといったハンバーガーショップ、スターバックスコーヒーのようなカフェで勤務経験のある方は大歓迎!とくに
ハンバーガーショップ勤務経験者であれば、コンセを見れば大体の仕事内容は想像がつくほど似ているお仕事です。ドリンクを作成するディスペンサーや各種機器の扱い方はほとんど同じですし、受注から商品提供までの動き方も同様です。

コンセではボックスと同じく混雑時にしっかり対応できることが大切です。人気映画の開場時間が重なったときなどはコンセにお客様が殺到し大変な混雑になります。加えて家族連れの多い長期休暇期間はお客様単価・注文数もUPするのでさらに大変ですね。

このような混雑を見越して事前に商品の補充や調理量調整などを行うことが重要です。ドリンク用の氷が足りなくなるとか、ポップコーンが売り切れるという事態は絶対にあってはならないので、来場者数を把握しそこから混雑状況を予測していく推理力(笑)があると心強いです。

飲食物を扱うので清潔感のある方が良いです。基本的に勤務時はアクセサリーや香水、長髪は禁止されています。帽子をかぶるのでヘアスタイルにこだわる方は要注意?

ストア
映画関連グッズに囲まれて働きたい方はストアへどうぞ。映画ショップに行くのが好きな方も楽しめると思います。ストア勤務は映画館によってはフロア、もしくはコンセのスタッフが持ち回りで担当していて、独立したセクションではないこともあります。

お客様も関連グッズに興味を持ってやってくることが多いので、話しかければ思わぬ映画談義に発展することもしばしば。商品や作品に対する知識があれば、お客様とコミュニケーションをとりながら販売することもできるのでお話し好きにはもってこいのセクションです。

混雑することは少ないので落ち着いて勤務することができます。商品在庫の検品・数量チェックなどはマメに行うので在庫管理が苦でない方がいいでしょう。前売券や前売券特典のチェックは量が多くてなかなか大変なのです。

インフォ
インフォが整備されている映画館は現時点では多くありません。ワーナー・マイカル・シネマズのサポートステーションや、TOHOシネマズの一部サイト等で行われています。

基本的なスキルとしてはフロアと同様に考えていただければ大丈夫です。劇場案内の他に上映作品のスケジュールや落し物のお問い合わせ対応が主な業務です。

お客様が殺到するようなことは滅多にありませんが、インフォは映画館の顔でもあるので、それを意識して勤務することが大切ですね。

映写
映写業務に興味がある方には残念なお話になりますが、
他セクションと比べて新規採用の機会はあまり多くありません。というのは、過去にも何度か記述いたしましたが映写は「映画館の心臓」であり、ある程度の専門知識とスキルが必要なため研修期間も含めて経験を要するセクションになります。

そのため最初は映写以外のセクションで勤務した後、希望者や適性を考慮して映写に異動するというパターンが一般的になっているのです。それでも直接映写採用の機会が時々あるので、興味のある方は劇場に問い合わせてみるのが良いでしょう。逆に映写から他セクションに異動することはあまりありません。

適性としては機械に強い理工系の方、職人気質の方、映画や写真制作(フィルムを触っている)が好きな方や映画音響・上映設備に興味のある方などが向いています。手先を使う作業が多いので器用な方が歓迎されるほか、細かい点まできっちりと作業を行う真面目な性格の方におすすめします。ちょっとしたミスが大きなトラブルに発展するので、慎重さを併せ持っていることが理想的ですね。

また業務試写や機器メンテナンスなどで深夜作業を行うことがあるので、終電や門限を気にせずに通勤できるほうが有利です。

オフィス
映写と同じくオフィスの新規採用も多くはなく、スタッフのなかから異動で決定されることが多いセクションです。仕事内容は電話応対と事務作業のサポートが主となり、混雑時は率先して現場に向かいサポート役を務めることも大切です。すでに他のセクションを経験していれば現場にとっては心強い存在となります。

ただ、社員に囲まれての勤務となるのでオフィスのメンバーや職場環境によっては気疲れすることがあるのが特徴です。周囲の社員も気遣って気さくに振舞ってくれるはずですが、年齢差があったりすると多少の違和感を感じることもあるかもしれませんね。

オフィススタッフは現場(アルバイト)と事務所(社員)を中継するパイプの役割もあります。さりげなく双方の意見、雰囲気を汲み取って運営にフィードバックできる細やかな感性を持っている方にぜひお願いしたいセクションです。

ざっとご説明いたしましたがいかがでしょうか。「大変そうだな…」と感じられたかもしれませんね。「経験やスキルがいるの?」と不安になったり。
いえいえ、誰でも最初は初めてです。とても忙しいこともありますが大切なのは他の仕事と同じくやる気と責任感、このふたつがあれば勤まります。先述したようなスキルや能力は勤務の過程で徐々に身に着けていけば良いのです。

映画館のスタッフは映画が好きな人が大半です。映画館に勤務してから映画に興味を持つ人もいますし、映画音響システムや劇場設計構造といったシステム面に関心を持つ人もいますね。映画の話題で盛り上がることはもちろん、映画好き同士で気の合う仲間と勤務する楽しさも捨てがたいものがあります。実際に映画館勤務で親友を作ったり、仕事以外でも遊びに出かけるなど親密な交友関係を持っているスタッフも多いのです。
劇場勤務に興味がある方は気難しく考えずに、ぜひ劇場に問い合わせてみてください。

もっと映画館の仕事について知りたい方はこちらもどうぞお読みください。今後も機会をみて各セクションの仕事内容などに触れていけたらと思います。

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コメント

映画館のお仕事のいろいろ、興味深く読ませて頂きました。
本当にどの仕事にも「プロの技」があるのですよね。日々お仕事をしていくうちに身につけていく仕事の技は体験してこそ学べるものなんですよね。

実は9月からうちの大学生の姪が新しく出来たシネコンでアルバイトを始めました。
セクションはなんと映写室だそうです。
何をしているのか詳しく聞いていませんが、上の記事を読ませていただいた感じでは、なかなかチャンスがなさそうなので、彼女はラッキーなのかもしれませんね。

投稿: Angelita | 2006年11月12日 (日) 12時02分

Angelitaさんこんにちは。

映画館の仕事はサービス業なので、やはりお客様に笑顔でお帰りいただけるように努めるのが良いと考えています。そのためにはどうすればいいか、今後も映画館が真剣に考えていければと思います♪

シネコンで映写のお仕事ですか!それはラッキーですね。新規オープンでは採用も未経験者で始まりますから、映写だろうがどこだろうが比較的自由に決めやすいんですよ。みんなスタートラインは同じですから。

姪御さんに直接、映写のお話しを聞けるからといって当サイトを見捨てないでくださいね(>_<)逆に姪御さんにもご覧いただけたら嬉しいです(笑)。

投稿: 管理人:月夜野 | 2006年11月13日 (月) 02時00分

月夜野さん、こんばんは。

映画館のお仕事にもいろいろあるのですね。前回と今回でかなり詳しく
解説されていますが、特に興味深かったのがセクションごとの適性に
ついてです。向き不向きや要求されるスキル等がとてもわかりやすく
丁寧に語られていますよね。これから映画館で働きたいと思っている方
はもちろん、現在働いている方にも非常に参考になるのではないかと
感じました。

投稿: マモラ | 2006年11月16日 (木) 01時25分

マモラさんこんにちは。

これから映画館でのお仕事を検討されている方や、関心のある方の参考になれば幸いです。実際に見ていればだいたいの仕事は予想がつくと思いますが、意外にお仕事内容を紹介したサイトが無いようなので、簡単ではありますがご紹介してみました。

春休み前などは大量採用があります。そういった時期に役に立てれば…と思います。各セクションについても今後それぞれに言及できていければと思っています。

>現在働いている方にも非常に参考になるのではないかと感じました。

ありがとうございます。そう言っていただけると大変嬉しいです。

投稿: 管理人:月夜野 | 2006年11月16日 (木) 06時25分

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