« File.114 シネマデプト友楽メモリアルVol.1 | トップページ | File.116 シネマデプト友楽メモリアルVol.3 »

2010年4月 3日 (土)

File.115 シネマデプト友楽メモリアルVol.2

閉館したシネマデプト友楽メモリアルの第二回目です。今回は本館建物の外観を見ていきます。



File.115 シネマデプト友楽メモリアルVol.2



12
閉館のご案内看板。友楽の来場者の特徴として、あらかじめ見る作品を決めてこないでチケット売場で「何を見ようかな~」という雰囲気の方が多いです。そのためか閉館間際のこの日、閉館告知文章に驚いて足を止めるお客様多数。そして口々に「残念やなあ…」と閉館を惜しむ言葉を述べていたのが印象的でした。



13
最終三日間は旧作ラインナップを500円で特別上映!
渋いチョイスに泣けます。もう『オペラ座の怪人』と『ニュー・シネマ・パラダイス』はイベント上映の定番となりました。奇遇と言うべきか1月29日に友楽と時同じくして『フラガール』の配給会社シネカノンが民事再生法の適用を申請しました。「プリントはどこに返したらいいんだろう?」とスタッフが困惑されていました。たしかに…。自分は友楽とシネカノンの同時閉業に驚いたので思わず『フラガール』を観賞しました。



14
シネマデプト友楽本館の全景。奈良旧市街の中心に位置するランドマーク的な存在です。建築高自体は30m級で大きなものではありませんが、その存在感は秀逸。デザイナーズシネコンらしい瀟洒なデザインと大胆にあしらわれたロゴマークが素敵ですね。1Fにモスバーガーが入居しており場内に持ち込むことも可能です。



15
外壁は縦横のラインを強調したデザインとなっています。一見すると単なるアクセントにしか見えませんが実は平城京の街路を意識したデザインになっているんですね。上部の変則的な見せ方は寺社建築のような趣すら漂います。
私は最初にこの建物を見たとき、丹下健三氏の代表作・香川県庁舎(東館1958年、本館2000年竣工)を思い浮かばせました。和の意匠を取り入れた現代建築である県庁舎東館と、アルミカーテンウォールで縦横を強調した超高層本館の関連性と近いものを感じました。シネマデプト友楽のアーキテクトデザインは道下浩樹氏の手によるもので氏の手がけた作品のなかでは大規模なものに属するでしょう。
大手シネコンもやはりデザイナーの手によって設計が行われていますが独立系興行会社でこれだけ手の込んだ映画館を作り上げたのは立川シネマシティ(東京都立川市)と友楽くらいかと思います。



16
CとYをモチーフにしたオリジナルロゴマーク。「シネマ・デプト」とは映画のデパートを意味して名づけられました。この映画館ができた頃、まだ「シネマコンプレックス」という言葉は存在しませんでした。友楽が全国展開でもしていたら、もしかしたらシネコンという言葉は生まれなかったかもしれませんよね。



17
三条通りに違和感なくたたずむ姿は古都の映画館らしいと思います。通りから少し奥まって建てられているので威圧感はありません。まさにこの地域のランドマークです。閉館すると町の活力が地盤沈下するのではないかと心配になります。



18
ステンレス製のメタリックな看板がアルミの外壁に違和感なく溶け込んでいます。派手さを意識することが多いシネコンにおいて、外観はともかく内装まで落ち着いた「和」をデザインした珍しい映画館なのです。この看板は夜になるとライトアップされ、ことさら美しく夜の町に映えます。



19
建物わきの換気口。建物に魅せられているとこんなものまでちょっとお洒落に見えれしまうのが困りものですが、明らかに建物との調和を意識したものになっていますね。すぐ左側が本館です。



20
日本初のシネマコンプレックスとされるワーナー・マイカル・シネマズ海老名(神奈川県海老名市)に先駆けること3年。ある意味、友楽こそがシネコンの元祖といっても過言ではないでしょう。典型的なアメリカンスタイルのシネコンの登場こそ海老名になりますが、友楽は根本的にシネコンの定義をすべて満たしているので先見性のある映画館だったと思います。

|

« File.114 シネマデプト友楽メモリアルVol.1 | トップページ | File.116 シネマデプト友楽メモリアルVol.3 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

映画上映設備」カテゴリの記事

映画業界のお話」カテゴリの記事

映画関連ニュース」カテゴリの記事

映画館のお仕事」カテゴリの記事

映画館のお話」カテゴリの記事

映画館探訪」カテゴリの記事

コメント

月夜野さん、記事拝読いたしました。お恥ずかしながら、友楽の存在をしりませんでしたが、以下の月夜野さんの説明文より、

典型的なアメリカンスタイルのシネコンの登場こそ海老名になりますが、友楽は根本的にシネコンの定義をすべて満たしているので先見性のある映画館だったと思います。
 
 いかに、友楽の存在意義が大きかったか、学びました。ただただ残念ですね。このような、映画館自体に愛着を感じさせる、映画館僕にもいくつか存在しました。一つが有楽町のテアトル東京で、もうひとつが新宿プラザでした。もう共にないですよね。なくなる前大切な思い出もなくなるようで、とてもさびしい思いをしたことを記憶しております。

 映画を楽しむと同時に、映画館を楽しむという概念を多くの名映画館から学びました。
 記事ありがとうございました。
 トム

投稿: トム | 2010年4月 3日 (土) 14時52分

トムさんこんにちは。

友楽は奈良県の映画館ですので東京都にお住まいの方が知らなくて当然です。それでもデザイナーズシネコンとしての完成度は言うに及ばずホスピタリティについても国内屈指の映画館であったと断言できます。閉館は実に惜しいです。観客減少の最大要因の決定打は皮肉にもワーナー・マイカル・シネマズ高の原のオープンではなかったかと思います(住所は京都府になりますが友楽に近接しています)。

テアトル東京、有楽座などは惜しむ方が多いですね。有楽座は名称こそ継承されましたが…(笑)。新宿プラザ劇場もかつては音響の良い映画館、音にこだわった大型館として名をはせていました。なじみの場所がなくなるのは映画館に限らず寂しいものです。

トムさんにはぜひ映画と同時に映画館を楽しむ愉しさを知っていただけたらと思います。埼玉県にもデザイナーズシネコンはありますし探せばいろいろおもしろい映画館はありますよ!

投稿: 管理人:月夜野 | 2010年4月 4日 (日) 00時33分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/30969/34054943

この記事へのトラックバック一覧です: File.115 シネマデプト友楽メモリアルVol.2:

« File.114 シネマデプト友楽メモリアルVol.1 | トップページ | File.116 シネマデプト友楽メモリアルVol.3 »