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2012年3月 5日 (月)

File.120 STAR WARS 3D公開へ

壮大なスペース・オペラが3Dで劇場に帰ってきます!
映画『スター・ウォーズ』全6部作が今年から2018年にかけて毎年3Dで劇場公開です。
最初を飾るのは3月16日(金)公開の『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス 3D』です。

 

スター・ウォーズの「エピソード○~」ってナニ?

 

ここで『スター・ウォーズ』(以下SW)の基本をおさらいしておきましょう。
SWが最初に公開されたのは1977年の『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』。その後にエピソード5とエピソード6が制作されました。
第一作はSWという長いお話しのなかのちょうど真ん中から作られたんですね。ジョージ・ルーカス監督はSWのVFX(特殊視覚効果)を担当するILM(Industrial Light & Magic)を立ち上げ、当時としては画期的な映像技術を作り上げました。しかしジョージはその技術レベルに満足できず、続編の制作は長らくストップしてしまいます。

エピソード6の公開から10年後の1993年、映像革命をもたらす映画が誕生します。ジョージの盟友、スティーブン・スピルバーグ監督の『ジュラシック・パーク』です。恐竜がコンピュータグラフィックスと人形の組合せで見事に表現されているのを見たジョージはSW続編制作への決意を固めていったと言われています。1999年、ジョージは22年ぶりにメガホンを取り『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』を完成、大ヒットへと導きました。

つまり物語は全6話構成でありながら、公開順は4話→5話→6話→1話→2話→3話なのです。今回3Dでお目見えするのはタイトルの通り第一話。ファンの間では「公開順で見るかエピソード順で見るか」がよく話題になります。未見の方は4話から公開順に予習しておくか1話からスタートするかの楽しみもありますね。ぜひ多くの方にご覧いただきたいと思います。
エピソード1はSWに慣れているつもりの自分も初見では新しい設定に戸惑ったり理解しづらい部分もありました。第一作のエピソード4は非常にシンプルなストーリー構成なので、エピソード4,5,6をビデオで復習してから劇場に足を運ばれるのを個人的にはおすすめします。

 

ジャパンプレミア

 

Ep13dv6

2012年3月4日に都内の劇場で特別試写会が行われ多くのファンでにぎわいました。ゲストにジョージの愛娘アマンダ・ルーカスが登場、彼女はDEEP女子無差別級王者でもあり場内は割れんばかりの拍手に包まれました。彼女の護衛にシスの暗黒卿ダース・ベイダーや銀河帝国軍兵士のストーム・トルーパー軍団が場内を占拠。ボビー・オロゴンさんとデーブ・スペクターさんも応援に駆けつけました。ボビーはメイス・ウィンドゥ、デーブは帝国軍将校のコスチュームを身にまとい場を盛り上げる…はずがお約束通りデーブのネタがスベるスベる。背後で怒りに震えるベイダー卿が恐ろしい! また特別にジョージから日本人ファンへのビデオレターも上映され、映画を楽しんでくださいと嬉しいメッセージを送ってくれました。
同時に日本マイクロソフトが4月5日から発売するXbox 360 Kinect用ゲーム『Kinect スター・ウォーズ』のプレイ実演をアマンダが披露。コントローラーを使わずにバトルが楽しめるとあって来場者の目をひいていました。

 

試写スタート

 

キャストスタッフや報道陣が撤収した後に場内は暗転、漆黒のなか銀幕に20世紀FOXロゴが3Dで登場、つづくLUCAS FILM Ltd.ロゴも初お披露目の3D。『STAR WARS』のタイトルが映し出されるやいなや、場内のボルテージは最高潮に! 観客は初めて見るSW3Dの世界を存分に楽しみ会場を後にしました。
SWはお祭りムービーでもあるので、人気キャラクターが登場すると拍手や掛け声が出るのがお約束ですが、今回のお客様はそういったことは一切なく終始落ち着いた雰囲気の上映となりました。それだけ映画に集中していたという証ですね!

映画は2012年3月16日(金)より3D字幕版と2D日本語吹き替え版が全国拡大ロードショーです。新しく生まれ変わったSWをどうぞ劇場でご体感くださいね。

※ここよりネタバレが入ります。ご注意ください。※

試写所感

さて、ファンにとっては待ちに待った3D版の公開。新作でないとはいえ、映画館で大勢の観客とSWを楽しむのは格別です。そこで気になるのが3Dの出来栄え…というのは誰もが気になるところ。あの『アバター』の制作に携わったスタッフを中心にILMのベテランが時間をかけて3D化した作品だけに期待は高まります。本編を見た印象を軽く触れておきたいと思います。
あくまで試写会場で鑑賞した条件下での個人的な感想です。

 

1.「どれくらい飛びだすのか」

率直に言うと、あまり飛びだしません。客席方向への飛びだしよりも、奥行き感や人物・背景などの遠近感を強調した画作りを基調としています。もちろん、随所に効果的な飛びだす3D効果も入っているので充分楽しめます。特に冒頭のLUCAS FILMロゴには圧倒されると思います。飛びだし感を期待の方には若干不満は残るかもしれませんが、SWの創造主ジョージが送り出した作品、そこは割り切って楽しみましょう。おすすめシーンは前半のグンガ・シティと中盤の共和国議会場は3D効果がよく表れていると思います。

 

2.「画質はどうなのか?」

旧三部作とエピソード1は主にフィルムで撮影されているため、デジタル化に際してフィルムをスキャンしてコンピュータ上で3Dに変換する特殊技術が用いられています。映像はデジタルリマスターされキズやパラ(細かなゴミ)などは徹底的に排除、クリアな画質を楽しめます。暖色系の色味や全体的な画調も1999年にフィルムで観たエピソード1に近い雰囲気を保っており、旧来のファンも違和感はないでしょう。
フィルム画像は銀粒子と色素の集まりで構成されています。いわゆる「グレイン」と言われるものでデジタルカメラでたとえるなら画素にあたるものです。3D版はこのグレインをポスプロ処理で軽減しているため、見た目はクリアなのですがその代償として細部表現がスポイルされている点は否めません。グレイン=画像情報のため、取り除きすぎるとディティールが失われてしまうのです。
また公開当時の35mm版に比べ
コントラストが強くなっており、暗部の潰れが多いのが気になります。本作は公開当時からやや粗い映像ではありました。おそらく多種のフィルムを使い、多国ロケで現像も完璧な統一性が保てなかったのかと推測しますが、場面によって画調や色合いの不統一が見られます。色味も3Dメガネの補正のためか赤色にシフトしています。
画角、特に水平方向がやや狭く感じられました(ポッドレースシーン、大団円シーンなどで実感)。上映会場設備に起因するのかもしれません。

 

3.「サウンドはどうなのか?」

3D効果と並んで音を気にされる方も多いと思います。SWは常に最新最高の映像音響技術を投入してきた映画です。エピソード1制作のために新たな劇場用音響規格「ドルビー・デジタル・サラウンドEX」(SRD-EX)を開発してしまったのも有名な話です。
3D版音声はCDと同じLPCM方式で収録されています。フィルムで使われる圧縮音声のSRD-EXとはキャラクターが異なる音質のはずなのですが…実にドルビーっぽい音です(笑)。
映画らしいというかフィルムらしいというか良い意味でLPCMらしくないサウンド。サラウンド音場の方向性や体感エリアの広さが優位な半面で、全体を包み込むような音場表現や音色の統一がやや苦手な性格のSRD-EXの6.1chよりもLPCM5.1chは濃密な音世界を現出します。ベン・バートやゲイリー・ライドストロームが作り上げた最高レベルの音響が味わえます。

 

4.「THXなの?」

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ジョージは第一作のエピソード4を映画館で観た際に、映画館の映像や音響が自身の意図や満足度から程遠いことに失望し、映画音声制作スタジオと映画館の統一規格を立ち上げようと模索しました。様々な分野のスペシャリストが集結し、1983年に「THX」規格としてスタジオや映画館の認定システムを作り上げます。これは映画の制作に相応しいスタジオ設計を定め、そのスタジオと近似した特性を持つ劇場を作ることにより制作スタジオと同等に近い映像と音響を観客に届けることを目的としています。現在ハリウッドのメジャースタジオの多くがTHXの認定を受けている、または基準を満たした設計になっています。
当然ながらSWもTHX基準で制作され世界標準のスタジオ規格で作られています。エンドロールにはしっかりとTHXロゴも出るのでファンの方は感涙ものですよ。

 

5.「どこの映画館がオススメ?」

SW上映館の3D方式は6種類(!)あります。それぞれに得手不得手があるので、どの3D方式が良いかは一概には言えません。メガネを持ち帰れるRealD、masterimage3D、Sony Digital Cinema 3D の劇場はできる限りスクリーンの中央と正対する位置で観るのが効果的です。席が前方すぎたり端だと映像が暗くなったり、クロストーク(映像が二重に見える)ことがあります。これらの方式はクリップオンタイプのメガネがあるので、普段から眼鏡をかけている方にお勧めです。

メガネが持ち帰れない方式はDOLBY 3D、XpanD、NESTRI 3Dで、
DOLBY 3Dは色再現に優れ裸眼に近い自然な色合いを楽しめます。対応劇場が少ないのが難点ですが、SWは鮮やかな色彩美も楽しみたいですよね。XpanDとNESTRI 3Dはシャッター内蔵メガネで若干の重量がありますが、光利用効率が良くシステム管理が良ければ優れた画質を得られます。一方で眼鏡使用者にはやや辛いことと、劇場によっては運用が良くなく映像が暗かったりブレることもあるようです。
3D方式は劇場によって異なるのでホームページなどで確認のうえおでかけください。様々な方式で見比べるのも楽しいかもしれませんね。

上映環境で言うならばやはり「大画面」、これに尽きます。SWは劇場の大画面で魔法がかかり生命を宿します。加えて3D映画は眼前に広がる映像の視野角が大きいほど効果が強くなります。ただし大画面になれば映写機の光量の関係で相応に映像が暗くなる恐れもあります。また先述のように視野角が重要なので、必ずしも実質のスクリーンサイズが大きければ良いというわけでもありません。
例えば横幅8mのスクリーンを10mの距離から見るのと、横幅16mのスクリーンを20mの距離から見るのとでは視野角は同じです。この場合、より画面に近い位置に座れて映像も明るくしやすい8mスクリーンのほうが3D効果は大きくなる可能性もあるわけです。基本的には大画面をおすすめしますが、視野角と適切な視聴位置(スタジアムシートなら画面中央と正対)さえ確保できればOKです!

Thxcertifiedcinemassmhero付け加えるとTHXでマスタリングされた映画なので、

劇場もやはりTHX認定を受けている映画館がおすすめです。THX認定館だからといって必ずしも高画質・高音質ではありませんが、SWはTHX認定館と非常に相性の良い映画です。お近くにTHX認定館があるかは公式ホームページで確認できます。複数のスクリーンを持つシネコンの場合はどのスクリーンが認定を受けているのか、事前に劇場へ問い合わせましょう。

 

6.「追加シーンはあるのか?」

公開やパッケージ化のたびに内容変更が加わることで有名なSW。巷では「3D版は追加シーンがある」という噂が立っていて一部メディアもそう伝えています。一方で配給元やプロデューサーのリック・マッカラムは変更なしと発言しています。さて、真偽のほどは…
続きは映画館でご確認ください!
ちなみにクワイ=ガン・ジンとダース・モールがこの作品で退場するのは変更なしです(泣)。

 

いよいよ公開が迫ってきました。めくるめくサーガの第一章をご一緒に楽しみましょう。初日は3月16日(金)です。劇場によっては前日に先行上映も行われます。6年間にわたるSWの祭典を存分に味わっていきたいですね。

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