カテゴリー「映画・テレビ」の記事

2012年11月23日 (金)

映写機材 譲ります!

寒くなってきましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回、閉館した映画館様の機材譲渡のご案内を頂戴しましたので、当サイトでご紹介させていただきます。ご興味のある方はお取次ぎいたしますので本エントリー末文の赤字部分をご了承のうえご連絡ください。

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ヘッドミシン:CHRISTIE P35GPS(SRリーダー付) 多数あり

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ヘッドミシン(写真2)



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コンソール:CHRISTIE SLC30~45(30,40,45各種/60Hz仕様) 多数あり

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映写機オートメーション:STRONG CNA-200 多数あり

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スクリーン:マットタイプ/ノーマルパーフォ(各種サイズ) 多数あり

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SDDSプロセッサーDFP-3000 複数台あり

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SRDプロセッサー:DA20(2台)

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サウンド分配器:USL MDS-1400/2600(1台)

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SDDSサウンドヘッドリーダー 多数あり

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シート:イトーキ社製(ワインレッドカラー ハイバック) 多数あり

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サラウンドスピーカー:Klipsch KPT-200(THX認定) 多数あり

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ステータスパネル:STRONG RSM-10 多数あり

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チャイルドシート:SMART PRODUCTS 多数あり

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編集台:Kelmar RTV-8900(3台)

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場内オートメーション:STRONG BTC-10 多数あり

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テイクアップリング(留金なし) 多数あり

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メイキャップテーブル:CHRISTIE MK35(3台)

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1200mリール 多数あり

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Kelmarフィルムクリーナー(予備メディア付) 2台

その他
フィルムセンサー:FP-350 多数あり
dtsデコーダー:DTS-6D 2台
dtsサウンドヘッド 2台
フィードコントロールAssy(センターユニット、ブレイン) 多数あり
プラッターカバー 多数あり
キセノンランプ:OSRAM(3K~4.5K USED) 多数あり
メインスピーカーシステム:Klipsch 多数あり
スピーカーケーブル:Vampire Wire 1ロール
アームローラー(インターロック延長可能) 多数あり



当サイトは出品者への仲介を行うだけで、本件に関わる全ての取引交渉は譲渡希望者が行うこととし、当方は一切の責任を負いません。また交渉の補助は行いません。紹介機材以外にも映画館物品が多数あります。詳細は出品者へお問い合わせください。
機材は映画館で使用されていたものですが状態、動作は一切保証いたしません。また技術的なアドバイスも行いません。

全てにおいて自己責任でお願いいたします。
仲介期限は2012年12月7日までとさせていただきます。

ご希望の方は下記までお問い合わせください。(お名前、電話番号、メールアドレス必須)
お問い合わせフォーム

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2012年3月 5日 (月)

File.120 STAR WARS 3D公開へ

壮大なスペース・オペラが3Dで劇場に帰ってきます!
映画『スター・ウォーズ』全6部作が今年から2018年にかけて毎年3Dで劇場公開です。
最初を飾るのは3月16日(金)公開の『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス 3D』です。

 

スター・ウォーズの「エピソード○~」ってナニ?

 

ここで『スター・ウォーズ』(以下SW)の基本をおさらいしておきましょう。
SWが最初に公開されたのは1977年の『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』。その後にエピソード5とエピソード6が制作されました。
第一作はSWという長いお話しのなかのちょうど真ん中から作られたんですね。ジョージ・ルーカス監督はSWのVFX(特殊視覚効果)を担当するILM(Industrial Light & Magic)を立ち上げ、当時としては画期的な映像技術を作り上げました。しかしジョージはその技術レベルに満足できず、続編の制作は長らくストップしてしまいます。

エピソード6の公開から10年後の1993年、映像革命をもたらす映画が誕生します。ジョージの盟友、スティーブン・スピルバーグ監督の『ジュラシック・パーク』です。恐竜がコンピュータグラフィックスと人形の組合せで見事に表現されているのを見たジョージはSW続編制作への決意を固めていったと言われています。1999年、ジョージは22年ぶりにメガホンを取り『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』を完成、大ヒットへと導きました。

つまり物語は全6話構成でありながら、公開順は4話→5話→6話→1話→2話→3話なのです。今回3Dでお目見えするのはタイトルの通り第一話。ファンの間では「公開順で見るかエピソード順で見るか」がよく話題になります。未見の方は4話から公開順に予習しておくか1話からスタートするかの楽しみもありますね。ぜひ多くの方にご覧いただきたいと思います。
エピソード1はSWに慣れているつもりの自分も初見では新しい設定に戸惑ったり理解しづらい部分もありました。第一作のエピソード4は非常にシンプルなストーリー構成なので、エピソード4,5,6をビデオで復習してから劇場に足を運ばれるのを個人的にはおすすめします。

 

ジャパンプレミア

 

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2012年3月4日に都内の劇場で特別試写会が行われ多くのファンでにぎわいました。ゲストにジョージの愛娘アマンダ・ルーカスが登場、彼女はDEEP女子無差別級王者でもあり場内は割れんばかりの拍手に包まれました。彼女の護衛にシスの暗黒卿ダース・ベイダーや銀河帝国軍兵士のストーム・トルーパー軍団が場内を占拠。ボビー・オロゴンさんとデーブ・スペクターさんも応援に駆けつけました。ボビーはメイス・ウィンドゥ、デーブは帝国軍将校のコスチュームを身にまとい場を盛り上げる…はずがお約束通りデーブのネタがスベるスベる。背後で怒りに震えるベイダー卿が恐ろしい! また特別にジョージから日本人ファンへのビデオレターも上映され、映画を楽しんでくださいと嬉しいメッセージを送ってくれました。
同時に日本マイクロソフトが4月5日から発売するXbox 360 Kinect用ゲーム『Kinect スター・ウォーズ』のプレイ実演をアマンダが披露。コントローラーを使わずにバトルが楽しめるとあって来場者の目をひいていました。

 

試写スタート

 

キャストスタッフや報道陣が撤収した後に場内は暗転、漆黒のなか銀幕に20世紀FOXロゴが3Dで登場、つづくLUCAS FILM Ltd.ロゴも初お披露目の3D。『STAR WARS』のタイトルが映し出されるやいなや、場内のボルテージは最高潮に! 観客は初めて見るSW3Dの世界を存分に楽しみ会場を後にしました。
SWはお祭りムービーでもあるので、人気キャラクターが登場すると拍手や掛け声が出るのがお約束ですが、今回のお客様はそういったことは一切なく終始落ち着いた雰囲気の上映となりました。それだけ映画に集中していたという証ですね!

映画は2012年3月16日(金)より3D字幕版と2D日本語吹き替え版が全国拡大ロードショーです。新しく生まれ変わったSWをどうぞ劇場でご体感くださいね。

※ここよりネタバレが入ります。ご注意ください。※

続きを読む "File.120 STAR WARS 3D公開へ"

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2011年4月13日 (水)

みんなジェダイ

未曽有の大震災から一カ月が経過しました。広範囲に大きな被害をもたらし、いまなお全容はつかめていません。ここに改めて被災された方々にお見舞い申し上げますとともに、犠牲者のご冥福をお祈り申し上げます。そして復興支援にあたられている方々に微力ながらエールを送ります。

ご周知の通り、支援の輪は世界に広がっています。以前に拙サイトでも触れた映画『雪の下の炎』にも登場されるチベットのダライ・ラマ法王からも義援金が送られ、チベット三大寺院において僧侶と仏教徒が般若心経の十万回読経、チベット人による募金活動などが行われました。ヴァチカン市国ではローマ教皇ベネディクト16世によるミサが行われるなど世界が祈りと支援を続けています。
地震当日に来日した歌手シンディ・ローパーは混乱のさなか予定通りジャパンツアーを決行、大阪公演ではファンから手渡された日の丸を背負い、ジョン・レノンの『Power to the People』の一節を熱唱。ライブ映像をネット配信し自ら募金箱を持って義援金を募りました。

世界から支援の手が差し伸べられるなか、映画『スター・ウォーズ』の日本のファンが団結し、東日本大震災復興支援プロジェクトを開始しました。プロジェクト名は

We are JEDI」!

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JEDIとは?
『スター・ウォーズ』をよく知らない方に簡単に説明すると、JEDI(ジェダイ)は映画のエピソード1~3に登場する銀河共和国や銀河の平和の守護者とされる存在で、共和国に暗黒をもたらす存在「シス」と対をなす正義の騎士たちの総称。護身武器として「ライトセイバー」を携え、修行により「フォース」と呼ばれる神秘的エネルギーを操ることができます。
ジェダイは『スター・ウォーズ』シリーズの象徴の1つです。物語は主人公のアナキン・スカイウォーカーが善のジェダイからシスへと堕ち、悪の化身ダース・ベイダーに変貌、民主主義の銀河共和国は解体され銀河皇帝の独裁政治が支配する銀河帝国へと成り果てます(エピソード1~3)。後にアナキンは息子ルーク・スカイウォーカーの手により再びジェダイに帰還、反乱同盟軍の活躍で帝政を打倒する(エピソード4~6)までを描いた物語です。最終作エピソード6の「僕はジェダイだ。かつての父さんもそうだった」とルークが銀河皇帝に発する台詞はあまりに有名。

言いかえれば『スター・ウォーズ』は再生を描いた映画であり、ジェダイは平和の象徴たる存在です。プロジェクト名に平和と復興への願いが込められていることは想像するに難くありません。ちなみにJEDIはジョージ・ルーカス監督が日本の「JIDAIGEKI」(時代劇)からインスピレーションを得たと言われています。


プロジェクト概要
プロジェクトでは第1弾として“We are JEDI”Tシャツを販売。収益金は全額、日本赤十字社に義援金として寄付されます。Tシャツは『スター・ウォーズ』のライセンス元である米国LUCAS FILM Ltd.の賛同と監修の下で制作され全世界へ販売されます。

先般もマレーシアのファンたちが『スター・ウォーズ』と自衛隊をモチーフにしたデザインのグリーティング・カードを制作して赤十字社に義援金が寄付されました。世界で愛される『スター・ウォーズ』という偉大な映画を通じて、復興支援活動が行われるのは同映画のファンの私も非常に嬉しく、また世界中から反響が巻き起こっているのも注目です。国内でもT.M.Revolution・西川貴教さんが2005年の紅白歌合戦で『スター・ウォーズ』のキャラクターと共演した縁で賛同、俳優の岡雅史さんも自身のブログに書き込まれるなど著名人の間でも話題を呼び始めています。

このプロジェクトは日本のファンによる“世界に向けて”の復興支援活動です。それはTシャツのデザインからも感じられますよね。彼らは愛する『スター・ウォーズ』を通じて支援を呼びかけています。もちろん完全ボランティアですから、世界を相手にするこのプロジェクトには様々な困難も待っているかもしれません。『スター・ウォーズ』が好きな私はプロジェクトに全面的に賛同し、機会があれば微力ながら後方支援をしたいと考えています。

Tシャツの販売は4月下旬から予定されています。1着2,500円(送料込)で色はホワイトとブラックの二色。支払いはPaypal、および銀行振込です(海外在住の方はPaypalのみ)。Paypalは日本ではまだ馴染みが少ない決済方法ですがオンラインでクレジットカード決済が行える利便性・安全性が評価され世界で幅広く利用されています。私も自主制作の写真作品販売で海外購入者用に利用しております。

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当支援プロジェクトの詳細は公式サイトでご確認ください。


震災で負った深い爪痕。被災された方々の心を癒すのは容易ではないでしょう。それでも前を向き、時には空を見上げ、前進していかなくてはなりません。大きな悲しみの海を渡るには人と人との絆と、助け合いが必要です。1995年に壊滅的打撃を受けた神戸・北淡路地域も一歩づつ復興へと歩み、いまもなお港町・神戸の復興へと歩みをとめてはいません。
古来より地震と向き合い、戦い続けてきた三陸地方の人々を襲った大津波と新たなる原発の恐怖。失ったものはあまりに大きく、誰もが悲痛な思いを抱いていると同時に被災者や避難所で生活をされている方々が、一日でも早く笑顔で暮らせる平穏な日が来ることを願い各々が支援をしている最中だと思います。

さあ、フォースを使うときが来ました。
世界から善なるフォースを被災地へ向けて送り出しましょう!みんなジェダイになろう!
東日本大震災からの復興の願いをこめて

May the Force be with TOHOKU!


TM & © Lucasfilm Ltd. 2011. All rights reserved.


追伸
2010年4月14日に発生したチベットのジェクンド(玉樹)大震災から奇しくも1年になりますが(一般には青海地震と言われています)、今なお被災者および犠牲者の正確な数は不明のままです。ジェクンド大震災でも日本のチベットサポーターがチベット人主導での被災地復興を目指して支援をしております。人命に国境はありません。ここ1年でもハイチ、チリ、チベット、ニュージーランド、ミャンマー(ビルマ)などで大地震が発生して苦しんでいる人々が大勢います。地震大国とも呼ばれる日本に住む私たちは、同じ痛みと苦しみを知っています。共に手を携え、地震に打ち勝つ世界が訪れることを祈ります。

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2011年3月14日 (月)

東北地方太平洋沖地震によせて

2011年3月11日、三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の大地震が発生しました。岩手、宮城、福島の沿岸部を中心に未曽有の大被害をもたらしたこの地震。被災された方々にお見舞い申し上げますとともに、犠牲者のご冥福を心よりお祈り申し上げます。発生から3日目、1名でも多くの方が救助されますことをお祈りいたします。

今回の地震はおだやかな天気の日中に発生しました。当然のことながら映画館も通常通り営業していた状況です。『塔の上のラプンツェル』、『SP 革命篇』、『ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 はばたけ天使たち』などの話題作の封切りで、映画館にも多くの方が訪れていたことでしょう。映画館においても多くの苦難があったと想像できます。非日常の時間を提供する映画館が奇しくも災害の現場となる。映画館の特殊環境のなか自らも被災者の立場で避難誘導にあたられた係員の方々の御心労をお察しいたします。

同地域は2008年の岩手・宮城内陸地震でも多く映画館が被害を受け営業を取りやめました。このたびの地震被害はそれをはるかに上回るものであり改めて地震の恐ろしさを実感するとともに、映画業界としても復興への力になることはないかと考えている次第です。




映画館における防災事情などは改めてお話しするとして、今回は今後の映画館の営業状況の見通しについて簡便に述べさせていただきます。

被災地をはじめ東北各県沿岸部の映画館は甚大な被害を被っているとの情報が入っています。また地震による破壊で都市機能そのものが奪われた所も多く、映画館の営業再開には長い時間を必要とするでしょう。
一方で比較的揺れの少なかった首都圏でも埼玉県と千葉県の一部で震度6弱、東京都で震度5強を記録しました。ほとんどの映画館がその回で上映を中断し、閉館体制に入りました。幸いにも首都圏の映画館で死傷者が出たという情報はありませんが施設が損壊した映画館が多数あります。また本日14日より政府の要請に基づく東京電力の地区別計画停電の影響を受けて、営業体制は整えたものの休館・または営業時間の短縮を余儀なくされている映画館もあるようです。

ここでは特に今回の地震による主に首都圏で見られた映画館の被害状況の例を挙げてみようと思います。強固に造られている映画館ですら易々と破壊する地震。本当に恐ろしいです。

・チケット売場や売店の損壊
地震によってチケット販売端末が破壊され発券不能になったり、売店の商品が棚から雪崩をうって落下しました。特に高い棚から落ちてくる商品などは危険です。

・ロビーの損壊
映画館によってはロビーの内装材や装飾が落下しました。幸い怪我人は出なかったそうですが映画館の広いロビーも決して安全ではないことが分かります。

・スクリーンの破損
映画館の顔、スクリーンが被害を受けた映画館もあります。

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・スピーカーの破損
スピーカーは強固に壁に設置されていますが、想定外の力が加わった場合には固定力の限界を超えて移動、落下することがあります。スクリーン裏のメインシステムがそうなると即時の営業再開は絶望的です。

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・映写機の破損
映写機が転倒したとの報告があります。映写機は非常に重量のある機材ですが大きな横揺れに耐えるには限界があります。設置位置が数cmでもずれれば再設置の必要があり、転倒すれば内部機構の破損は確実で復旧までに多くの時間がかかります。

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・映写窓の損壊
映写窓は客席側と映写室側を板ガラスで絶縁しています。映写室の雑音を場内に入れないために使われているガラスが、地震の強大な力によって粉々に砕かれてしまいます。映写ガラスは遮音性の高い厚みのある製品が使用されますが上下方向に圧力が加わったときは簡単に割れてしまいます。

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・場内の損壊
安全を考えて強固に造られている映画館でも天井が落下してくることがあります。天井には吸音板、照明、空調ガラリ、左右や後壁にはサラウンドスピーカーなどがありいずれも落下してくると非常に危険です。

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以上のような事例が多数報告されています。

「帰宅難民のために映画館を開放してはどうか。避難所として使えないか」とのお声もあります。しかし上記のように映画館には地震に対する危険も多くあり、密室という特殊条件下のため余震で二次災害を引き起こす可能性も十分に考えられます。また自社ビルとして営業していない映画館は大家(商業施設など)との兼ね合いで開放できないことが普通です。先に挙げたようにロビーにおいても内装材の落下などが報告されており映画館を避難所として活用するのは危険が伴います。

現在は地震発生から間もないため今後も余震に対して警戒が必要です。営業している映画館もありますが首都圏をはじめ大きな揺れを観測した地域の方々はできる限り映画館に出かけるのはお控えになるのをおすすめします。基本的に映画館は安全です。しかし想定外の事態が起こりうるのは否定できません。今回の地震そのものが想定外の規模だったのですから…。

また映画の上映には多大な電力を消費します。シネコンの平均的な座席数を200席と仮定した場合、それの上映に必要な消費電力は概算でおよそ13,000wにもなります。大スクリーンに映像を映し出す映写機や音響機器はもちろん、空調なども含めていくと非常に大きな電力を消費をしていることが分かります。シネコンのメインスクリーンである400席クラスから600席クラスともなると雪だるま式に増えていきます。余震の危険性があるうえに電力不足が確実視されているいま、該当地域での映画の上映・興行を行うことは妥当とは思えません。

いま、日本は緊急事態を迎え多くの人が悲しみにくれています。そのなかで必死になって活路を見出そうとしている人、職務を遂行している人がいます。首都圏は電力不足により地域別停電という事態になっています。映画は逃げません。今わたしたちは被災地のためにできることを考え、静かにそれを実行に移すときではないでしょうか。

当方も1995年に阪神淡路大震災を経験しました。忘れ得ぬ記憶です。記憶が薄れ風化している方々もいらっしゃると思います。東北地方太平洋沖地震であのときの記憶が鮮烈に蘇りました。ちょっとした気遣いや少額の募金でも被災地の助けになります。一人ひとりがいま、何をするべきか考えて行動するときがきています。

被災地はもちろん首都圏の映画館も営業は先行きが不透明ですが、また再び映画館に明かりが灯るよう努力していきたいと思います。改めて被災地の今後の救援・復興が進むことをお祈りいたします。

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2010年6月18日 (金)

File.119 CINEMA・TWO音響調整レポート

2010年6月13日、CINEMA・TWO(東京都立川市)で行われた映画『THIS IS IT』の音響調整現場を見学してきました。その様子と、CINEMA・TWOの音響設備を簡単にレポートしようと思います。当作品のサウンドをより良くするために、シネマシティが企画した参加型イベントで、音響技術者の微細な音響調整をじかに聴くことができる貴重な機会でした。

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CINEMA・TWOの外観。ガラス張りの瀟洒な建築です。


1994年に東京都内で初めて劇場構造規格THXの認定を受け(CITY2)華々しくオープンした立川シネマシティ。特に音響へのこだわりは定評があり、そのシネマシティが独自のアプローチで2004年に造り上げた二つ目の映画館がこのCINEMA・TWOで、先般までメモリアル特集記事で紹介したシネマデプト友楽と同じく独立系デザイナーズシネコンです。ここは従来の映画館の音響構造とは全く性格が異なるオリジナルの音響システム「Kicリアルサウンド」を全5スクリーンに採用しています。

映画館の音響システムというのは世界的な基準でセオリーが決められていて、映画館が独自で音響効果を変えるということは通常は行いません。普通の映画館で変えるのは音量くらいです。CINEMA・TWOでは独自に開発された劇場構造とデジタルサウンドプロセッサーを駆使することにより、映画に合わせた調音が可能となっています。言いかえれば普通の映画館は固定された音響設定に則った上映になるのに対し(だからこそ最初の設計・性能や調整の良しあしが重要)、ここでは映画ごとに音質を調整できるシステムを用いて運用されているのです。

このようなスタイルの映画館は類例が少ないですね。通常の映画館でも物理的に行うことは可能ですが音響や映画の音に対して、造詣の深い人物がいないと逆に映画の魅力をスポイルしかねません。Kicリアルサウンドは有限会社エル・プロデュース代表取締役でありサウンド・スペース・コンポーザーの肩書きで知られる井出 祐昭氏と音響コンサルタントの増 旭氏によって開発されたからこそ実現したプロジェクトと言えるでしょう。KicのネーミングはCINEMA・TWOのアートディレクターを務めた海藤 春樹氏、井出氏、CINEMACITYの頭文字を取って名付けられています。

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右が増 旭氏、そのすぐ左が井出 祐昭氏です。




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海藤氏によってデザインされた幻想的な照明。まるで教会のキャンドルのようです。



Kicリアルサウンドって?



Kicが目指したのは映画の音を作るダビングスタジオと同等以上の環境を持つ映画館とすることです。そのために敢えて映画館の設計セオリーから離れた設計となっています。その自信の表れは各劇場の名称をa STUDIO、b STUDIOというようにスタジオと銘打っていることからもよく分かりますし、実際に映画の音を場内で作ることも可能なだけの建築音響を構築しています。

まず最新のシネコンなどと大きく異なる点は、場内環境をより生活環境に近い自然な音空間にしてあるある点です。シネコンなどでは映画に収録された音を反響させないように壁面や天井に吸音材を設置し、過多な残響を防いでいます。クラッシックホールが残響時間を長くとり豊かな響きを聴かせるのに対し、映画館では明瞭な台詞、音声を客席に届けるために強く吸音をしてあります。そのため場内に入ると耳が少しツーンとした感覚を覚えるはずです(参照File.60 場内音楽)
CINEMA・TWOでは吸音をできるだけ抑え、自然な聴感となるような音空間としています。そのほうが聴感上の居心地が良いですし、それで映画館が造れるならやってみようというチャレンジ精神があったものと推測されます。ただし、全く吸音しなければお風呂場のような反響だらけの聞き取りづらい音になってしまうので、音響シミュレーションを重ねて映画再生に適した環境になるように設計されています。

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写真のように壁面がわずかに斜めに立っています。そのかわりに通常の映画館のような吸音材を使用せず、天井に向けて音を反射させる構造を用いています。こうすることにより他の映画館に比べて圧倒的に吸音面積を減らすと同時に定在派(壁の平行面で向き合う音による波長の乱れ。音響に悪影響をもたらす)の問題も処理しています。反響がある分、シネマ用スピーカーよりもより音が遠くへ飛び微妙な音の調整も可能なMeyer Sound社のPA用パワードスピーカーを使用しています。これで反響に打ち勝ち、より繊細かつ力強い音が再生できるのです。Meyerのスピーカーは性能が非常に優れていますが高価で元来は映画用ではないため使用している映画館は国内では少数です。




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天井の拡大写真。吸音板がぎっしりと設置されています。通常の映画館はここに岩綿吸音板パネルを使います。映画館によっては薄手のグラスウールを用いているところも見受けられます。天井に音を集めて吸収しているのがミソですね。グラスウールでは高音域の吸収が強く低音域を残してしまう特性があり、中高音をきれいに出す音環境を作るのが難しく低音過多になりがちです。そのためスクリーンから離れるほど高音がこもりがちになりますが、CINEMA・TWOはセンタースピーカーを除くライトとレフトのスピーカーとサブウーファーをむきだしにしていることもあり後方まで高域減衰が少なく、観賞位置による音のバランスの崩れが少ない造りとなっています。ご存知のように通常の映画館はスクリーンの後ろ側の見えない位置にスピーカーが設置されています。

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傾いた壁、センタースピーカー以外がむきだしになっているのが分かりますね。


さて、今日はKicの解説はこのへんにしておいて音響調整現場の様子をご紹介しましょう。機会があればもう少し掘り下げてこの映画館の音響について記事を書いてみたいと思います。私が以前にCINEMA・TWOのオープン前に招待された「スニークプレビュー」の際の『リディック』の音響は衝撃的で、今までに聞いたことがないタイプの音響空間に圧倒されたものです。そのときのチューンは派手目にしてあったので通常上映とは違うデモンストレーションサウンドでしたが、今回の音響調整ではそれ以来の素晴らしい音とマイケルの魂が息づくサウンドを聴くことができました。



音響調整レポート



CINEMA・TWOにおける最初の『THIS IS IT』興行は2009年10月28日~。再上映が2009年12月19日~(再調整版で名付けてINVINCIBLE SOUND)そしてスタンディング上映。このときの上映も井出氏による調整が行われ各界から絶賛を浴びました。「THIS IS ITなら立川」という評判は瞬く間に広がり以前より映画館ファンの間でおなじみだった「音響の良さなら立川」の名を一般観客層まで知らしめたのです。以前のサウンドでも十分な音響を聴かせていただけに実に楽しみです。

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参加者の多くが女性!偶然にも友人が来ていてびっくりしました。仙台からいらっしゃった方も…。


本来は十数人の参加枠のはずが意外なほどの参加者。反響があったのでしょうね。
まず、井出氏による今回の調整の説明と、CINEMA・TWOの設計構造などについて簡便な解説がありました。井出氏によると
今回は「今まで以上にマイケルの声と愛のエネルギーを忠実に引き出す」とのこと。
これは楽しみです。もともとこの映画はそれほど音質が良いわけではなく、低音域が目立ち台詞が少し引っこんで聞こえるという映画音響的にはバランスの悪い難のある作品です。井出氏も「作品の音を元から直したいくらい」と仰っていましたが同感です。このような素材からいかにしてさらにマイケルのエネルギーを引き出すと言うのでしょう。どのような調整になるのか実に楽しみです。

解説の後は模範上映(冒頭約10分)。1回目は無調整版。2回目がインヴィンシブル・サウンドです。3回目がスタンディングバージョン(大音量)。2回目のほうが明らかに全体がフラットな音声となりノイズ感が低減、全体の各チャンネルのバランスも揃い、より聴きやすい音になっているのが分かります。また声の透明感とノイジーな帯域が抑えられよりシャープでクリアな肉声感ある音声に変化しています。まるでノイズリダクションをかけたうえで全体のバランスを理想的に合わせたような印象でした。上映をストップした後はフィルムを巻き返す時間が必要なのでその間は質疑応答時間となりました。


いよいよ調整開始


デモが終わった後、本格的に調整に入ります。今回はスタンディングライブスタイルで猛烈な音量での上映に向けての音響調整です。聴いていると1曲1曲ごとの平均値を出すような感じでわずかな調整が加わっていることが分かります。決して大きなイコライザー調整ではなく注意深く聴いて帯域が出たり引っ込んだりするのが分かる程度。その繰り返しが続きます。それは主に台詞を担当するセンタースピーカーだけではなくサラウンドスピーカーにも及んでいました。
でもやはり「声」を最重要視しているのは明白で、この声をどのように出すか腐心している様子が見受けられました。
聴いているうちに声が自然と聴こえるようになり、カドが取れてより自然な再生へと変化していきます。調整の間も我々レポーターは歌っても踊ってもOKという非常に自由な時間が与えられ、多くのファンがスタンディングで歌に合わせてノリにノっていましたね(笑)。井出氏もその様子を愉しまれていたようです。

行程としてはまず映画の前半部分で大まかな調整、休憩後の後半部分ではセンタースピーカーのみからの再生やサラウンド無し再生などでより深層部の調整をかけていきました。1回目の上映が終わった後は休憩後、作品を休みなしで上映し最終調整となりました。相当な大音量のなかで的確に音を拾って絶妙にバランスを取っていく様子はまさに「音作り」であり、計測数値上の調整ではなく井出氏ら技術者の聴感で仕上がっていく様は職人技と言えるものでした。



6時間に及ぶ調整の後


そして最終的に仕上がった音。言葉ではうまく表現できませんが凄まじい表現力であることは確かです。まずこの作品の特徴である押し出しの強い低音を出しながらも他のパートやヴォーカルを潰さない圧倒的な肉声感があって、スクリーンから飛び出してくるようなセンターチャンネル。まるで現場にいるような空気感のリアリティとマイケルの生っぽく艶のある美声が感動的です!
普通はただ音量だけを上げてしまうと高音域が目立ってくると同時に重低音域の主張が強くなってバランスが崩れ、他の音声成分をスポイルしてしまうものなのですが、調整によりこんなに多くの音が各チャンネルに割り振られていたのかと唸らされました。

パーカッションのパンチある音声も特筆です。特にこれは前のほうのシート、G列より前あたりで実感できるでしょう。弾けるパーカッションの鋭い音は胸の奥まで突き刺さるような再生です。そこにマイケルのヴォーカルと各パートの演奏が調和しているのだからたまりません。私は後方のM列(個人的に好きな観賞列)で聴いていましたがパーカッションのキレとベース音の量感あふれる再現はまさにコンサート会場にいるような臨場感です。

また今まで映画館では聞いたこともないほどの大音量のため身体の内側まで音が叩きこまれてきます。それにも関わらず場内全体を充満する重低音にビクともしない床や壁面の剛性の強さは、さすがはスタジオクオリティを標榜するだけの建築構造になっていることを再確認させてくれました。サラウンドもフロントスピーカーに使えるほどのパワーがあるモデルなのでしっかりと音が客席まで届いてきて、5.1chをフルに使って音を割り振った制作者の苦労がしのばれました(リハーサル音源なので雑ではありますが)。リアサラウンドにもギターの音、バックコーラスなどがしっかり入っているんですよね。大音量でもそれが確実に伝わってくる、凄いことです。

とにもかくにも激烈な音量ながらサラウンドも含めて各パートがしっかりと自己主張し、本当にロンドン公演に参加したかのようなリアリティあるサウンドで降参です(笑)。あれほどの大音量でありながらソースの情報量を超えるかのようなマイケルのはっきりと明確でパワフルな声の再生には驚きを隠せません。ちょっと私には音が大きすぎるかなという感じはありましたので観賞される方は大音量を覚悟の上で行かれることをお勧めします。元々のミックスではスクリーンより遠く聴こえ、いまひとつパワーのなかったマイケルのヴォーカルが、その場に本人がいるようなサウンドで体感できたことはまさに「リアルサウンド」の名に恥じぬものであったと思います。



その他所感



逆に気になったこともあえてここに。まず前半映写機にシャッター流れが見受けられた点です、普通のお客様ではまず気づかないレベルではありますが映写機のシャッターとフィルムの給装タイミングのズレにより映像がわずかに下方向に流れて映写されていました。ただこれは微細なもので大きな問題はないと思います。映写技師でもない限り気にならないでしょう。あとライブスタイル上映だから仕方ないのですがもう少しLFE(重低音)のレスポンスが下がったほうが個人的には好きですね。下げてあるのは分かるのですが本当の公演よりも重低音は強いのではないか?と感じるほどでした。それでもマイケルの声が演奏が胸に届いてくるのが今回の調整の素晴らしい点であると思います。

この映画を見た誰もが思う感想である「実際の公演を見てみたかった」。
それは永遠に叶いませんが、少なくともこの
CINEMA・TWOのライブスタイル上映は世界で最もその世界観を忠実に再現している上映環境の1つであると確信します。サウンドをくのではなく、“体験する映画”となって生まれ変わっています。爆音や重低音の映画再生が一部の映画ファンの間で支持されている昨今、CINEMA・TWOの今回のサウンドを聴いてしまうとこれまで爆音や重低音と言われていたものがいったい何だったのか…と思わずはいられません。

独創的な建築音響構造と音響設備はもちろんのこと、スタッフの熱意だけでなく井出氏と増氏のゴールデンコンビだけが生み出せる世界観と言えるでしょう。元々Kicはそのライブ感ある音場のため音楽映画、とくにロック映画などには相性が良い傾向があるだけにまさにピタっとはまったと思います。最初に見たとき自分が「音の悪い映画だな」と感じていた『THIS IS IT』にこれだけのエネルギーが込められていてそれを映画館で引き出した事実を思うと、THX(世界基準の映画館構造規格、パラメータの変更はできない)を支持している自分も「映画ごとの音響調整」というものに大変興味を持ちました。

井出氏と言えば個人的には場の空気や世界観を重視しつつ繊細で自然な音空間を生み出す印象がある方だけに、今回ほどの大音量(繰り返しになりますがそれほど凄いボリュームなのです。途中で大音量がさらに上がりましたから!)になったのは意外でした。劇場がビクともしない剛性なので音圧だけで身体が揺れ、鼓動が速まる未体験の音になっています。参加者の熱気や熱意に井出氏自身が突き動かされたのではないか、そういう印象を持ちました。参加者全員の一体感によって作り出された音と言って良いでしょう。最後は拍手喝さいで調整会は終了しました。井出氏の「マイケルはここに来ていると思う」という言葉が鮮烈に思い出されます。

CINEMA・TWOでの再々興行は6月19日より。名付けて「THE EXPERIENCE」。上記のライブスタイル上映の日程は以下。

2010年6月19日(土) 20:00~ 予約/窓口販売 6月17日(木)
2010年6月25日(金) 20:00~ 予約/窓口販売 6月22日(火)
2010年6月26日(土) 20:00~ 予約/窓口販売 6月24日(木)

「爆音はちょっと…」という向きの方は通常上映でも大変なクオリティです。ファンならずともぜひ足を運んでみてください。そして体感してください。志半ばで世を去ったマイケルが目指していたものが少なからず感じ取れると思います。マイケルがこの上映を見たらきっと“I LOVE YOU”と言うのではないでしょうか…。ここまでCINEMA・TWOが本気の音を出すことは滅多にないのでそういう意味でも貴重な体験でした。

そして劇場のスタッフが自分たちの劇場を誇りに思い、好きなことに一生懸命になっている姿に感銘を受けました。好きだからこそ、誇れるからこそこのような挑戦と音響調整レポートというチャンスを与えてくださったのだと思います。最後になりましたが今回このような機会を与えてくださったシネマシティのスタッフの皆様と関係各位に心から感謝の意を表します。ありがとうございます。

For the fans...

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File.118 シネマデプト友楽メモリアルVol.5

シネマデプト友楽メモリアルの最終回です。今日は最大劇場のCINEMA5の場内を見てみましょう。場内も独創性のある内装に仕上がっているんですよ。



File.118 シネマデプト友楽メモリアルVol.5



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90年代の映画館の趣を残しつつ、落ち着いた照明とカラーリングで統一された場内。縦長の形状をしているため後ろの席に座るとややスクリーンが小さく感じられるかもしれませんが、緩やかなスロープと絶妙なスクリーンの設置高のおかげでどの席からでも見やすさを確保しています。




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もう少しスクリーンに近づいてみました。キャパシティに対してサイズが小さいわけではありません。むしろ最近の映画館のスクリーンは大きすぎるきらいがあるのでこのくらいがちょうど良い大きさなのかもしれませんね。個人的には最後列中央から水平視野角30度もあれば十分だと考えていますが新しい映画館のスクリーンは40度近くになることもあり、設置位置も高くて後ろのほうに座らないと画面が見づらい映画館が増えているように思います。




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この劇場の特長は壁面のカーテンウォール。サラウンドスピーカーも見えないようにカーテンのなかに隠れています。このカーテンは素材や色彩にもこだわったそうで古都奈良らしさを、侘びさびを感じさせるものになっています。もちろん吸音効果も考慮されているうえ、光の反射率が低いので上映中も照り返しが少ないメリットがあります。このようなカーテン式の壁面の映画館は珍しいですね。見た目の印象も優しくて好ましいと思います。




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映写窓を見てしまうのが拙サイト管理人のクセ(笑)。メンテナンス照明のようなスポットライトが装備されています。映写窓の周囲にあたる高所は白っぽいカーテンがかけられていて休憩中は良いアクセントとなっています。映写設備の詳細は知らないのですがシネコンでは珍しいイタリア製の映写機が2台式で用いられているようすで、スピーカーはエレクトロボイス社製を使用しています。




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こうして側面から見ると壁がカーテンに覆われている様子がよく分かります。実際に見ると照明もシックで素敵なんですよ。今回撮影できなかったのですがCINEMA3の出入口付近に使われている金属製レースカーテンはとても美しく素敵でした。劇場ごとに微妙に個性が違うのもこの映画館の特徴です。




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こうして見ると劇場の雰囲気がよく分かりますね。カーテンと同じくシートも特注色が使われたハイバックシートです。座り心地が良く画面に対する背もたれの角度も適正なのが特筆すべきところです。音響面はどちらかといえばキレや重低音よりも柔らかさや耳当たりの良さが印象に残るサウンドです。『フラガール』と『ローマの休日』を見ましたがどちらもソフトに聴きやすく鳴っている印象でした。フロントの分離感もしっかりとしています。おそらくエレクトロボイスの2Wayスピーカーではないでしょうか。重低音やサラウンド感が注目されやすい昨今において珍しく落ち着いた音響と言えるでしょう。壁面よりも厚みのあるシートによる吸音割合が大きいようでした。




シネマデプト友楽が標榜していた「第一級のホスピタリティ」。その精神は現場のスタッフの様子や清潔感あふれる館内によく表れていました。自分としても、この映画館ほどお客様目線でスタッフが接客をしている映画館はあまり記憶にありません。1階のちらし・ポスター放出市でスタッフが来場者の子どもと親しげに接している様子を見たとき、無くなってしまうのが本当に不憫でなりませんでした。

1942年に開館し、68年もの長きにわたって奈良市に映画の明りを灯し続けてきたシネマデプト友楽。次々とオープンする郊外型大型シネコンの乱立により来場者が減少、社長の健康不良も重なりこのたび閉館することとなりました。営業部長の「本当に残念ですが先は見えている」との言葉に、一観客の私もそれを受け止めるしかありません。

またスタッフの方々の言葉も印象に残りました。「週刊文春で全国トップ10入りしたことで自分たちの映画館が評価されていることを知った」、「閉館するのは本当に寂しい」、「たとえ経営が変わっても友楽で働きたい」、「この大好きな映画館で働けたことはずっと思い出として忘れない」などスタッフ全員が閉館を惜しんでいるようでした。結局1月末で閉館し、スタッフも友楽を巣立って新たな生活を送っているそうです。

私は遠路のため友楽を頻繁に訪れることはできませんでしたが、週刊文春で推したのは間違いではなかったことを今回の最後の来訪で再確認することができました。一流ホテル並みの接客とシックな劇場デザインコンセプトは最後まで変わることなく、国内でも類例の少ないデザイナーズシネコンだけに閉館は寂しく思います。また同日、神戸市にあるMOVIX六甲も閉館しました。シネコンチェーンMOVIXの第一号サイトでこちらも集客に苦戦したうえでの閉館だったようです。

これからはシネコン同士の生き残りをかけた熾烈な戦いがさらに激しさを増していくことでしょう。シネマデプト友楽は閉館しましたがまたいつの日か復活する日を願っています。「まだここで働いていたい…」というスタッフの言葉が胸を締め付けます。
私は寂しさのあまり思うように撮影・取材が進まなかったのですが、閉館間際でお忙しいなか取材協力に快く応じてくださったスタッフの皆様に厚く御礼を申し上げます。

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68年間お疲れさまでした。
そしてありがとう。シネマデプト友楽。

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2010年6月16日 (水)

File.117 シネマデプト友楽メモリアルVol.4

シネマデプト友楽メモリアルの4回目は内装を見ていきたいと思います。高齢者に配慮したバリアフリー設計と、古都奈良をイメージした落ち着きのあるカラーデザインが印象的です。


シネマデプト友楽メモリアルVol.4



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CINEMA2の入口と売店ロビーの様子です。右手がエレベーターになっていてその正面がカウンターとなっています。シネコンにありがちな派手な色彩は使われておらず、非常に落ち着いた雰囲気を醸し出しています。階段部分の間接照明がユニークですね。左手に曲がるとCINEMA1に通じる通路です。


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奥に進むとCINEMA1へのコリドール。どこを見ても非常に清潔感があります。スタッフの方いわく「きれいな所もいつも清掃している」とのこと。忙しいなか、これはなかなかできることではありませんね。どこを見ても大切に使われ、整備されている様子が伝わってきます。せっかくのデザイナーズシネコンでもほころびがあっては台無しです。シネマデプト友楽はまるでオープンしたてかと勘違いするほど細部まで清掃が行き届いています。


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各劇場のサインはウッドパネルにシルバーの金具で取り付けられ、天井からの照明で照らされています。こういった何気ないところも丁寧な意匠で統一されていてデザイナーの意気込みを感じることができます。


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映画館めぐりの重要なチェックポイントであるトイレ。多数の来場者がある映画館では常時トイレを美麗に保つのは大変です。しかしご覧の通り、細やかな清掃が行き届いています!トイレも落ち着いた色彩と照明、そしてゆったりとした空間が確保されています。こちらは男子トイレですが大きな鏡に圧倒されました。映画館でこんなきれいなトイレ、なかなか見ることはできませんよ。


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高齢者層の来場が多いことを考慮してか、このB2Fには大きなベンチが設けられています。この写真を一見すると映画館には見えないかもしれません。企業ショールームか何か別の施設に見えませんか?街の喧騒から離れた静かな空間で映画を楽しむことができます。


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床面のカーペットを見るとなかなか色鮮やかなものも使われています。遠目に見るとシックに見えるのはトータルコーディネートがしっかりしているからだと思います。このカーペットはフロアによって異なっており、各階で微妙な個性の違いが楽しめるようになっています。


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これ、凄いです!友楽のロゴをデザインした特注のシャンデリア。チケットカウンターもそうでしたがこういう什器は全て特注品になります。全体的にシックな内装のなかでひと際目立つ存在で、フロアの良いアクセントになっています。


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最大館である4FのCINEMA5への通路。初めて来たとき、「ここはホテル?」と思うほどシックで落ち着いた雰囲気に驚きました。奥に特注のシャンデリアが見えていますね。建物自体がそれほど大きくないので広々とした印象はありませんが照明の妙や多用された鏡の効果で窮屈さは感じません。薄暗い照明が多いシネコンでこのくらいの明るさはとても新鮮に感じます。


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各階に設けられた売店カウンターです。ここでは過去の上映作品商品も取り扱っています。シネコンの場合、売店やもぎりを統一することで人件費の削減や効率化を実現していますがシネマデプト友楽はこのような立派な売店が各フロアに設置されていてスタッフが常駐するスタイルをとっています。各スクリーンにスタッフがいることで1人あたりのお客様への対応も余裕が持てますしお客様にとっては便利で安心感がある反面、スタッフの配置人数が増えて運営コストがかさむのは容易に想像できます。カウンターそのものも立派で、こちらも美しく保たれていて感激しました。


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CINEMA5の入口とロビーの遠景です。ロビーそのものはそれほど広くはありませんが、エレベーター前や階段も待合スペースにできるように広めに取ってあるので混雑時もスムーズな出入りが可能です。入口はきちんと遮光され、ロビーの光が場内に入り込まないように配慮されています。

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2010年6月 4日 (金)

File.116 シネマデプト友楽メモリアルVol.3

前回の記事から間が空きましたが、シネマデプト友楽メモリアルの第三回目です。今回は1階のエントランスをご紹介しましょう。



シネマデプト友楽メモリアルVol.3



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チケットカウンターです。カウンター下にオリジナルロゴがデザインされ非常に凝った作りになっています。こういう意匠はすべてオーダーメイドで制作されるので非常に手間暇がかかるものです。モニタには分かりやすく作品のビジュアルが示されているのは大手シネコンでもなかなか見かけないものですね。同時に閉館メッセージが表示されているのが泣けます。



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このような館全体の間取り図は映画館ではなかなか見られません。基本的に1フロア2スクリーンの縦積み構造で中央にエレベーターとロビーを配しています。スクリーンを対面構造にすることによりB2Fや2Fなどは映写室を1室にするなど縦積みシネコンならではの工夫が見られます。この場合、映写機はそれぞれが背を向けて配置されているわけです。通常1フロア展開のシネコンは映写室は1つとなり合理的ですが、複数フロアになるとそれだけ映写室の数も増えてコストがかかります。都市型シネコンの宿命ですね。



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シネコンのロビーは暗い照明や派手な色彩が多いなか、シネマデプト友楽はあくまでモノトーンにこだわっています。そして陽光が注ぐ明るいエントランスはとても気持ちが良いものです。このような雰囲気は立川シネマシティ(東京都立川市)を彷彿とさせます。こちらもデザイナーズシネコンとして著名ですね。



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外壁の意匠をエントランス部分の柱にも持ち込んでいます。単なる構造体として柱を立てるのではないところにこだわりが光ります。またこの柱はチケット売場と階段・エレベーターの区域分けの機能も果たしています。間接照明と陽光でメタリックな反射を持ち高級感があります。



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チケットカウンター脇にはどの劇場で何の映画を上映しているか一目でわかるように表示されています。液晶モニタやLEDモニタだけの映画館が増えていくなかで、手間がかかるにもかかわらずユーザー目線の細やかな配慮が随所に見られる映画館です。東京だと目黒シネマなどが同様に手作り感のある分かりやすいタイムテーブル表示をしていますね。スタッフの熱意を感じる1コマです。



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上階へと上がる階段。手すりも美麗に清掃され新作映画のバナーが飾られています。映画館の規模を考えるとずいぶんとゆったりとした幅を持つ階段で空間的な窮屈さを感じさせません。適度なライティングもあり映画の余韻に浸りながら下るのもいいものです。



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1Fチケットカウンター横の待合スペースです。ここではある催しが開催されていました。その催しとは…。



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過去上映作品の宣伝材料の一斉展示、および保存されていた映画作品のちらしやポスター、プレスシート等の大放出市!ポスターやちらしは上映後は廃棄処分されるので、多数の作品が保存されているのを見てあっけにとられました。



30 珍しい作品、懐かしい作品のチラシやポスターが山のように並べられ、すべて持ち帰り自由という太っ腹企画に大勢のお客様で賑わっていました。ここでは全ての展示品を紹介することはできませんがコレクターにとってはかなりレアと思われる作品も多数設置されていましたよ。31_2 

私もいくつか頂いてきましたがこれだけの量を保存しているのは、もう映画に対する愛情そのものとしか思えませんでした。お客様が入れ替わり立ち替わり持っていくのに圧倒的な在庫でなかなか減りません。特に古い作品は人気があるようで私も早めに頂きました(笑)。でも東京までの帰りが大変なのでポスターは1枚だけ頂きました。私も制作に携わった『GOEMON』です。



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在庫市で賑わうなか、自らの歴史に終止符を打ったことを示す新聞記事が掲示されていました。これにより奈良市から映画館が消えることになります。しばらく読みいっていると、感慨深くなりました。以前に週刊誌の取材で「くつろげる映画館」の取材協力を受けた際に私はシネマデプト友楽を推したのですが、そのときの掲載記事もしばらくここに掲示されていたということです。そんな矢先の閉館だけに寂しさがこみ上げます。

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2010年4月 3日 (土)

File.115 シネマデプト友楽メモリアルVol.2

閉館したシネマデプト友楽メモリアルの第二回目です。今回は本館建物の外観を見ていきます。



File.115 シネマデプト友楽メモリアルVol.2



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閉館のご案内看板。友楽の来場者の特徴として、あらかじめ見る作品を決めてこないでチケット売場で「何を見ようかな~」という雰囲気の方が多いです。そのためか閉館間際のこの日、閉館告知文章に驚いて足を止めるお客様多数。そして口々に「残念やなあ…」と閉館を惜しむ言葉を述べていたのが印象的でした。



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最終三日間は旧作ラインナップを500円で特別上映!
渋いチョイスに泣けます。もう『オペラ座の怪人』と『ニュー・シネマ・パラダイス』はイベント上映の定番となりました。奇遇と言うべきか1月29日に友楽と時同じくして『フラガール』の配給会社シネカノンが民事再生法の適用を申請しました。「プリントはどこに返したらいいんだろう?」とスタッフが困惑されていました。たしかに…。自分は友楽とシネカノンの同時閉業に驚いたので思わず『フラガール』を観賞しました。



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シネマデプト友楽本館の全景。奈良旧市街の中心に位置するランドマーク的な存在です。建築高自体は30m級で大きなものではありませんが、その存在感は秀逸。デザイナーズシネコンらしい瀟洒なデザインと大胆にあしらわれたロゴマークが素敵ですね。1Fにモスバーガーが入居しており場内に持ち込むことも可能です。



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外壁は縦横のラインを強調したデザインとなっています。一見すると単なるアクセントにしか見えませんが実は平城京の街路を意識したデザインになっているんですね。上部の変則的な見せ方は寺社建築のような趣すら漂います。
私は最初にこの建物を見たとき、丹下健三氏の代表作・香川県庁舎(東館1958年、本館2000年竣工)を思い浮かばせました。和の意匠を取り入れた現代建築である県庁舎東館と、アルミカーテンウォールで縦横を強調した超高層本館の関連性と近いものを感じました。シネマデプト友楽のアーキテクトデザインは道下浩樹氏の手によるもので氏の手がけた作品のなかでは大規模なものに属するでしょう。
大手シネコンもやはりデザイナーの手によって設計が行われていますが独立系興行会社でこれだけ手の込んだ映画館を作り上げたのは立川シネマシティ(東京都立川市)と友楽くらいかと思います。



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CとYをモチーフにしたオリジナルロゴマーク。「シネマ・デプト」とは映画のデパートを意味して名づけられました。この映画館ができた頃、まだ「シネマコンプレックス」という言葉は存在しませんでした。友楽が全国展開でもしていたら、もしかしたらシネコンという言葉は生まれなかったかもしれませんよね。



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三条通りに違和感なくたたずむ姿は古都の映画館らしいと思います。通りから少し奥まって建てられているので威圧感はありません。まさにこの地域のランドマークです。閉館すると町の活力が地盤沈下するのではないかと心配になります。



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ステンレス製のメタリックな看板がアルミの外壁に違和感なく溶け込んでいます。派手さを意識することが多いシネコンにおいて、外観はともかく内装まで落ち着いた「和」をデザインした珍しい映画館なのです。この看板は夜になるとライトアップされ、ことさら美しく夜の町に映えます。



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建物わきの換気口。建物に魅せられているとこんなものまでちょっとお洒落に見えれしまうのが困りものですが、明らかに建物との調和を意識したものになっていますね。すぐ左側が本館です。



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日本初のシネマコンプレックスとされるワーナー・マイカル・シネマズ海老名(神奈川県海老名市)に先駆けること3年。ある意味、友楽こそがシネコンの元祖といっても過言ではないでしょう。典型的なアメリカンスタイルのシネコンの登場こそ海老名になりますが、友楽は根本的にシネコンの定義をすべて満たしているので先見性のある映画館だったと思います。

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2010年3月11日 (木)

File.114 シネマデプト友楽メモリアルVol.1

古都奈良市から映画館のともしびが静かに消えた。1942年に奈良ニュース映画館としてオープンし、90年には全国に先駆けてシネコンスタイルを採用したシネマデプト友楽だ。デザイナーズシネコンとして飽きのこないシックでおしゃれなデザインや考え抜かれた導線構造など随所に至るまで独立系映画館らしいこだわりが感じられる素敵な映画館でした。

近隣地域への大手シネコンの進出による競争激化と奈良市中心部の空洞化によりシネマデプト友楽の動員数は年々低下。年間来館者数も25万人を割り今後の動員回復の見込みが見込めないという判断で急きょ68年の歴史に幕を下ろすことになりました。

何度も紹介してきた日本で最初のシネコンであるワーナー・マイカル・シネマズ海老名が1993年オープンなのに対してシネマデプト友楽はいち早くシネコンスタイルを採用したまったく新しいタイプの映画館。計8スクリーン、1,142席を有する中規模シネコンではありますが2005年の改装により国内でも類例の少ないデザイナーズシネコンとして生まれ変わった矢先のことで当方もショックを受けました。先年には『週刊文春』誌に「おすすめのくつろげる映画館」として推薦した身としては寂しい限りです(参照:File.112 くつろぎの映画館)

このときの推薦文をご紹介します。
「“平城京を現代風に再現”
奈良市の中心部に立地するデザイナーズシネコン。名前の由来は「映画のデパート」で90年のオープン当時、まだシネマコンプレックスという言葉が存在しなかった頃に名づけられたものだ。
古都の中心に位置していることと、幅広い年齢層を迎えるために派手な色使いや導線を大胆に排除しモノトーンの落ち着いたロビー環境を構築している。平城京の格子街路をモチーフにデザインしつつ、格調高い雰囲気を醸し出すことに成功している。そのこだわりは劇場内にも及び、スピーカーを壁面に埋め込みカーテンを吊ってスマートな壁面を実現したほか、色彩も抑えて高年齢層の来場にも配慮されている。
座席は国内メーカーの特注品で長時間座っても疲れない特殊構造のうえスーパーハイバックタイプ(背もたれが頭部まである)。そのため上映時間の長い映画でもリラックスして映画を見ることが可能だ。座席配列は段差の大きいスタジアム形式ではなくスロープ式だがスクリーンの位置と座席の角度を計算して設計しているためどこからでも見やすい視野を提供している。
映写機が1スクリーンにつき1台が通例のシネコンでは非常に珍しい、1スクリーンに2台の映写機を配置して昔ながらの切り替え映写を行っている。万が一にも映写機にトラブルが発生した場合はもう1台の映写機でバックアップができるなど観客にとっても安心な利点の多い映写方式である。高年齢層まで支持される落ち着きあるデザインプランはもちろんだが、映写に対して安心できるというのはくつろぎの条件と考えたのでベスト10にランクインした。」(抜粋)

シネマコンプレックスと言う和製英語がまだ無かった頃に時代を先取りした先進の映画館。閉館は潔い決断とは言え、唯一無二の個性を持つ素敵な映画館だっただけにショックは大きいです。今回はシネマデプト友楽の魅力が少しでも広く伝われば…と思い記事を上梓します。
これまで撮影の多くをフィルムカメラで行ってきましたが、このたびパソコンの買い替えによりフィルムのスキャンが不可能となりました。よって写真店が行っている150万画素相当の低画質でのスキャン画像掲載となります。またHPの更新にも不具合が発生しています。拙サイトを楽しみにされている方にはまことに不本意ではありますが更新頻度の少ないことと画像の低画素化をご了承ください。



シネマデプト友楽メモリアルVol.1



シネマデプト友楽DATA
所在地:奈良県奈良市角振町6
開館:1990年
総劇場数:8スクリーン
総座席数:1,142席
CINEMA1(120席)SRD、dts
CINEMA2(119席)SRD、dts
CINEMA3(115席)SRD、dts
CINEMA4(118席)SRD、dts
CINEMA5(244席)SRD、dts
CINEMA6(118席)SRD、dts
CINEMA7(200席)SRD、dts
CINEMA8(108席)SRD、dts


1
徹夜明けのまま新幹線に乗り込み京都駅経由で、単身奈良へとやってきました。今回は東大寺も興福寺にも行かず、シネマデプト友楽のみ行ってきました。神鹿すら見ていません。




2
近鉄奈良駅の改札上ではせんとくんが出迎えてくれました。この奇怪なデザインに慣れてしまった自分が心配…。


3
奈良に到着!駅から歩いて数分の好立地に映画館はあります。


4
手作り感あふれるスケジュール表。シネマデプト友楽は本館とイースト館に分かれています。デザイナーズシネコンと言う点でも立川シネマシティ/CINEMA・TWOを彷彿とさせます。


5
ポスターケースの下には駐車場の案内が。大型ショッピングセンターと併設していないので専用の駐車場を設けて利用者の便宜をはかっています。


6
別館の外壁のレタリング。今となっては味のあるこの書体。私は好きです。


7
別館に隣接する建築群。かつてはゲームセンターなどが入居していた記憶があります。すでに閉鎖され、内部には『のだめカンタービレ最終楽章 前編』の巨大なスタンディーが飾られています。


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劇場裏手から見た新館。この地区のランドマーク的な建築でありながら街路にすっかり溶け込んでいます。とくに低層部のテクスチャを和風にアレンジしている芸の細かさには思わず目を見張りました。こういったこだわりがこの映画館のおもしろいところであり魅力なのです。


9
でも側面からみると結構キッチュなデザインも兼ね備えている(笑)。内装のシックさとは大きく異なるポイントです。


10
平城京の街路をモチーフにした洗練されたファサードに比べて裏側はごく普通のビルと言った趣です。自己主張が少なく奈良の町に溶け込んでいますね。


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右手に見えるのは奈良のシンボル興福寺五重塔(国宝)。奥に若草山が見えています。シネマデプト友楽は奈良旧市街の中心に位置していて、文化施設として欠かせない都市機能でありました。

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